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インターネットを活用した貧困支援で農村に新たな活気を

人民網日本語版 2020年11月09日14:45
インターネットを活用した貧困支援で農村に新たな活気を
4月15日、甘粛隴南市礼県塩官鎮良源果業ECセンターで、リンゴのピッキング作業をする女性ら。オンラインで販売されたリンゴはトラックに積み込まれ全国各地へ発送される。李旭春/人民図片

EC貧困支援モデル市である甘粛省隴南市では、農作物のネット販売が多くの農民の新しい作業スタイルとなっている。例えば、礼県永興鎮龍槐村の農民・張加成さんは毎朝、プラットフォームでライブ配信し、たくさんのフォロワーに、「リンゴ園」を見学してもらっている。ネット販売について、張さんは「リンゴの値段が3倍になった。昨年、20万元(1元は約15.65円)稼いだ」と感慨深げに話す。

「インターネット貧困支援行動計画」が実施されて約3年の間に、貧困地域のインターネット通信インフラも整備されてきた。インターネットさえあれば、特色ある農産品も山を越えることができるほか、ハイクオリティの教育、医療などの資源も農村に届けることができる。こうしてインターネットの環境が向上することで、農村に新たな活気がもたらされている。

政府の大々的なサポートの下、隴南市で経営されているネットショップは1万4372店あり、EC経営者は3万3000人以上に達している。2019年、ECは同市の貧困世帯に一人当たり840元の増収をもたらした。

中国国務院貧困支援弁公室によると、「隴南市のECを活用した貧困サポートの経験に学んだ国家級貧困県が中国全土に536県ある。ECは国家級貧困県832県全てをカバーし、県級EC公共サービスセンター・物流配送センターが1700ヶ所以上建設されている。農村のECサービス拠点は13万ヶ所以上あり、延べ500万人以上が各種研修に参加してきた。2019年、中国全土では農産品のオンライン販売額が3975億元と、2016年比で1.5倍に増えた」という。

インターネット貧困支援行動の実施が深化し、貧困地域のインターネット通信インフラの整備も進んでいる。2019年10月の時点で、中国の行政村の光ファイバーと4Gの開通率は98%に達し、貧困村のブロードバンド開通率も99%に達している。インターネットは特色ある農産品が山を越えるようサポートするほか、貧困層の人々の生活を大きく変えている。

河北省広宗県葫芦郷中学(中高一貫校)の中学3年の李子敏さんは、「授業1コマに教師が2人いる。1人の有名講師がインターネットのライブ配信を通して専門の知識を教えてくれ、学校の教師がそれをサポートし、疑問に答え、知識を付け加えてくれる」と話す。2016年の中国大学統一入学試験(通称「高考」)で、第一志望合格ラインに達した広宗県第一中学の学生は1人だったものの、2019年には一気に112人まで増えた。「インターネット+教育貧困支援」により、有名講師、名門校、名門学習塾など、ハイクオリティな教育資源を貧しい農村が利用できるようなり、貧困が次の世代に受け継がれていくことがないよう、悪循環が断ち切られている。

甘粛省平凉市霊台県人民病院の遠隔診療センターの医師は現在、独店鎮の診療所の医師とビデオ通話で繋がり、張坡村の貧困世帯の張宏才さんの診療を行っている。張さんは、「ビデオ通話で県病院の医師に見てもらうことができ、お金も節約できるし、とても便利」と喜ぶ。「インターネット+健康貧困支援」により、貧困グループもハイクオリティの医療資源を便利に利用できるようになり、病気が原因で貧しくなったり、貧しい状態に逆戻りしたりする人が出る状況を改善する点で大きな役割を果たすようになっている。

しかし、インターネット貧困支援により、さらに貧困が削減するようにするためには、そのウィークポイントを克服する必要もある。例えば、物流もその一つだ。統計によると、現時点で、中国の農村の96.6%が宅配便サービスの営業所を設置しているものの、宅配便が直接村まで届けられる割合は35%にとどまっている。さらに多くの農産品が山を越えることができるよう、国家郵政局は最近、「宅配便村進出」プロジェクトを始動し、3年をめどに、条件を満たす建制村(省市級国家機関による承認を経て設置された村)で、村々に宅配便が直接届くようにしたい考えだ。

インターネット貧困支援の効果をさらに向上させるためには産業チェーンの水準を向上させる必要もある。新型コロナウイルスの影響で、湖北省秭帰県は、熟したネーブルオレンジ約17万トンの収穫だけでなく、販売することもできなかった。そこで、農家はプラットフォームの業者と連携して難題解決に着手した。あるECプラットフォームの責任者によると、「動画を見ながら収穫、ピッキング、包装など全てのプロセスをモニタリングできる。オレンジの大きさを測り、糖度もワンボタンで測ることができる。異常が発見されれば、すぐに検査することができる」という。

人材不足というボトルネックを解決しなければ、インターネット貧困支援を安定して、末永く実施することはできない。山東省鄄城県は、オンライン販売専門の教室を開設し、定期的にショート動画やライブ配信に関する研修を行っている。そして、インターネットを活用して、ライブ配信をしたり、オンラインで農産品を販売したりできる「人気の農民」を育成し、「オンラインライブ配信+オフライン産業」スタイルを通して、特色ある農産品を全国に販売している。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年11月9日

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