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特色ある栽培業で貧困世帯の雇用を促進

人民網日本語版 2020年11月06日14:49

「栽培基地のオアオレンジの花が咲いた。今年は収穫ができそうだ!」そう喜ぶ李義華さんは、雲南省怒江州瀘水市色徳村のオアオレンジ栽培基地で果樹園の管理を専門に担当している。李さんはこの仕事で、1ヶ月に3500元(1元は約15.7円)の収入を得ている。(文/人民日報・張雲河、程煥)

2018年、村駐在活動隊員の趙慶剛さんが色徳村にオアオレンジ栽培基地を作ることを提案した時、多くの村民は否定的だった。なかでも李さんは先頭に立って自分の土地を提供して資本参加することを拒否した。

李さん自身には心配する理由があった。李さんは村駐在活動隊員に向かって、「トウモロコシからオアオレンジの栽培に切り替えた場合、少なくとも最初の2年は収穫がない。うちは7人家族で、毎月穀物を買うだけでも約700元かかる。1年なら8400元だ。うちにとっては小さくない支出だ」と計算してみせた。それに対し趙さんは、「栽培基地にも労働力が必要となる。出来上がったら管理員として働けば、収入はトウモロコシを作るよりいいはずだ」と答えた。

2020年4月12日、雲南省建水県西荘鎮白家営村委員会小石橋村のオレンジ畑で、「蘆柑」という柑橘類の収穫作業をする村民(撮影・蘆維前/写真著作権は人民図片が所有のため転載禁止)。

村民の誤解を前にして、村駐在活動隊員は村民の家を一軒ずつ訪ねて説明した。さらに地元の農業科学研究所の技術員を招いて、科学的な角度から村民へオアオレンジ栽培の実行可能性を説明してもらい、ようやく村民の懸念を払拭することができた。こうしてオアオレンジ栽培基地は予定通り完成した。

アラーム音が鳴り、スマホを取り出して銀行口座に3500元が入金されたのを確認した李さんの顔に、笑みが浮かんだ。李さんのような果樹園管理担当者のほかにも、資本参加した村民がオアオレンジ基地で1日働いた場合、120元の稼ぎになる。

2020年5月10日、貴州省赤水市石堡郷大灘村で、村民のトマト収穫を手伝う党員ボランティア(撮影・王長育/写真著作権は人民図片が所有のため転載禁止)。

この2年、オアオレンジ栽培基地だけでなく、色徳村にはウーロン茶やリンゴ、中華蜂飼育プロジェクトなどが雨後の筍のように立ち上げられ、村全体で1708人の貧困者が貧困を脱却するのを後押しした。「貧困脱却は第一歩にすぎない。土地による資本参加者にとっては、この後年末に予定されている配当も結構な収入になるはずだ」と趙さんは言う。

色徳村と同じように、中国各地でも、栽培業や加工業、農村ECなど複数のアプローチで、貧困世帯の雇用問題を解決している。2019年、中国は年度貧困者削減目標を全面的に達成し、貧困人口を計1100万人以上減らした。2020年は貧困脱却の難関攻略の戦いにおいてその成否が決まる年であり、各地で貧困世帯の生活が安定するようサポートする努力が続けられている。

2020年5月8日、湖南省邵陽市隆回県の衣料品加工企業の貧困者支援を目的とした作業場で働く女性(曾勇/写真著作権は人民図片が所有のため転載禁止)。

中国の貧困人口は2012年年末の9899万人から2019年年末には551万人に減った。貧困発生率は10.2%から0.6%に下がり、7年連続で年間1000万人以上の貧困者が減っている。中国全土の登録貧困世帯では、1人あたり純収入が2015年の3416元から2019年には9808元に増え、年平均伸び幅は30.2%となった。

今年、貧困脱却の難関攻略任務が達成されれば、中国でおよそ1億人の貧困者が貧困から脱却することになり、国連の持続可能な開発のための2030年アジェンダにおける貧困撲滅目標を10年前倒しして達成することになる。グテーレス国連事務総長は、「ターゲットを絞った貧困者支援策は、貧困者が持続可能な開発のための2030年アジェンダが示した壮大な目標を達成するための唯一のアプローチだ。中国の経験は他の発展途上国にとって有益で、参考にする価値がある」と述べている。(編集AK)

「人民網日本語版」2020年11月6日

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