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チベットの全ての貧困県・区が貧困脱却

人民網日本語版 2020年11月09日14:53

西蔵(チベット)自治区拉薩(ラサ)市城関区の団地・康楽家園小区に住むチベット族の女性・阿松さんは夕方になると、ガスコンロの前で晩御飯を作り始める。約2年前、阿松さんはチベットで「三岩地域」として知られる1600キロ離れた昌都市貢覚(ゴンジョ)県木協郷康布村に住んでいた。人民日報が報じた。

「三岩」とは、「岩」のことではなく、チベット語で「山々に囲まれ、地形が厳しい」ことを意味しており、生活環境が悪く、チベットで最も発展が遅れた地域の一つだ。貧困脱却の難関攻略において、チベットは、木協郷を含む「三岩地域」の7郷、45行政村の住民が他の地域へ移転する取り組みを行っている。阿松さんの一家4人も代々居住していた■楼(■は石へんに周、ディアオロウ)と呼ばれる楼閣風の住居から、康楽小区の約120平方メートルの家に移転した。

移転前、阿松さんの父親・次旺久米さん(80)は複雑な思いを抱いていたものの、新しい家の現代的な設備や娘2人が近くの幼稚園で働いているのを見て、安心したという。

現時点で、チベットの貧困世帯の移転先965ヶ所の建設が全て終わり、26万6000人全員が移転先に入居した。移転後も、安定した暮らしをして、富を築くことができるようにするために、チベットは産業貧困支援資金の5%を貧困世帯の移転先の産業建設に用い、移転してきた各世帯の成員のうち、労働能力のある少なくとも1人が安定した仕事に就くことができるように支援している。

近年、チベットは特色ある産業を発展させて貧困脱却を推進することができるよう大々的に取り組み、ハダカムギの増産、ヤクの出荷、観光文化、建築建材などの優位性を誇る産業の発展に重点を置いてきた。そして、2016年以来、累計で約400億元(1元は約15.7円)を投じ、産業貧困支援プロジェクト約3000件を実施して、貧困人口23万8000人が貧困脱却するようサポートし、受益者は84万人を超えている。

2016年以来、チベットは、農業、農村、農民関連の資金約750億元を貧困脱却の難関攻略に用い、その年間額は毎年平均15%以上のペースで増加し、そのうち中央財政資金が約490億元に達している。中国東部と西部の貧困支援連携プロジェクトのうち、チベット支援プロジェクト313件が実施されており、実際に投じられた資金は195億元に達している。北京市はチベットに対して20年以上ペアリング支援を実施しており、資金やプロジェクトは一層民生の分野に伸びるようになっている。2016年以降だけでも、北京は約13億元を投じて、当雄など4県・区が2018年末までに貧困を脱却できるようサポートした。

貧困脱却の難関攻略の過程で、チベットの農牧エリアの水、電気、道路のネットワークなどのインフラ整備も進んでいる。例えば、農村の飲料水確保のプロジェクトが1万7000ヶ所で実施され、農牧民200万人以上が益を受けてきた。そして、貧困者登録されている住民の安全な飲料水をめぐる問題が全て解決された。住居の面では、貧困者登録されている住民の危険家屋4万3600棟の改築が実施され、貧困グループの危険家屋が「0」になった。

10月15日、国務院新聞弁公室はラサで記者会見を開き、チベット自治区党委員会の呉英傑書記が、「2019年末の時点で、当自治区の貧困県・区全てが貧困を脱却し、貧困者として登録されていた62万8000人が貧困を脱却した。2015年の時点で1499元だった貧困人口の一人当たりの純收入は、2019年に9328元に増加した。これにより、当自治区は絶対貧困の問題から完全に脱却した」と発表した。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年11月9日

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