「中国の細胞培養肉の研究は現在のところ、高純度幹細胞の抽出と幹細胞性の維持、無血清培地の研究開発、幹細胞の大規模・高密度培養という3つの課題に直面している」。18日に開かれた第1回中国細胞培養肉サミットフォーラムで、南京農業大学の周光宏教授は細胞培養肉研究の進捗状況をこう報告した。科技日報が伝えた。
周氏のチームは2009年から10年をかけ、高純度の家畜・家禽幹細胞を抽出し、その幹細胞性を維持した。周氏はチームを率い、1年前の11月18日に中国初の細胞培養肉を開発した。
細胞培養肉とは、家畜・家禽の幹細胞を用いて体外培養により作る肉類のことで、動物の繁殖を必要とせずに直接細胞を培養することでできる。市場に流通している植物性蛋白質を加工した「人工肉」とは異なる。
「ほんの数個の細胞が5グラムの培養肉に成長するのは、幹細胞のおかげだ。しかし、高純度の筋肉幹細胞を抽出し、その幹細胞性(成長能力)を維持するのはとても難しい」。周氏のチームは2009年からさまざまな方法を試み、まずマウスから筋衛星細胞と間充織細胞を抽出し、この2種類の細胞に培養肉の種子となる細胞になる潜在力があることを発見した。周氏のチームのメンバーである丁世傑氏と中国科学院は2015年に協力し、この方向性に従い高純度の豚の筋幹細胞を分離した。その2年後、牛の幹細胞も分離した。
研究チームは2017から19年にかけて、培養肉の豚・牛筋幹細胞の幹細胞性維持方法を新たに開発し、食品レベル抗酸化剤の培地を作った。丁氏は、「有機体内では各種ファクターが幹細胞の増殖を調整している。我々は重要シグナルの伝達ルートと抑制剤を発見し、細胞内の生長環境をシミュレートした。1年前には、実験室内で20日で作れる培養肉は5グラムだったが、現在は50グラム培養できる」と述べた。
「伝統的な肉生産方法と比べると、培養肉はエネルギー消費を3−5割、温室効果ガス排出量を7−9割、土地使用を9割以上、水使用量を8−9割減らすことができる」。丁氏によると、理想的な細胞培養肉は肉類の生産期間を短縮するだけでなく、さらに土地使用と汚染も減らすことができ、高品質で価格も安いという。
しかし細胞培養肉が食卓に上がるまでは、さらに多くの壁を乗り越えなければならない。
まずは「無血清」細胞培地の開発だ。「培養肉生産のコストの7割は培地の血清だ。培地のコストを大幅にカットして初めて、培養肉の真の産業化が可能になる」。丁氏によると、血清は動物から得られ、さまざまな栄養を提供し、細胞培養においてキーとなる作用を果たす。しかしそのコストはやや高く、例えば牛の血清の小売価格は500ミリリットルあたり数千元(1元は約15.88円)もする。そのため無血清培地の開発が必要となる。
周氏のチームはこの1年にわたり、成分が明確な各種血清代替品を開発しており、段階的に血清培地の代替を試みている。
周氏は、「また幹細胞の大規模・高密度培養も課題に直面している。これには、増殖で生み出した細胞がいかに筋肉を形成するかといった問題を解消しなければならず、専門的な生物反応装置、特定の型、3次元培養技術の開発に関わる。他にも、製品の安全評価及び管理規範などの問題も無視できない。細胞培養肉の実用化にはまだ多くの技術の進展が必要であるが、将来的には期待できる」と述べた。
周氏は、「細胞培養肉が食卓に上がるようになるには、コストを1グラム300元から3元、さらには0.3元に下げる必要がある。これにはおよそ5−10年必要だ」と判断している。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年11月27日
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