中国グローバル化シンクタンク・CCGと西南財経大学発展研究院が研究、編纂し、社会科学文献出版社が22日に出版した青書「中国国際移民報告2020」によると、新型コロナウイルスは国際人口移動にも深刻な影響を及ぼしており、アフターコロナ時代は、国際人口移動の規模が目に見えて縮小すると予想されている。中国新聞社が報じた。
報告によると、長期にわたり、国際人口移動が活発で、生産要素が地域を超えて流通していたため、世界はすでに「地球村」を形成していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大という公衆衛生に関わる世界的な事態は、密接につながり合う世界に新たな思考を与えるようになった。新型コロナウイルス対策のために、世界各国は「入国制限」による「鎖国」や都市の「ロックダウン」などの措置を続々と講じ、人口の全国的な自由な移動が極度に制限されるようになった。そして、国際人口移動の規模も明らかに縮小した。
報告は、「新型コロナウイルスは、世界のサプライチェーンに大きな打撃を与えた。自国の産業チェーンの安全が、経済発展の視野の中に再び戻り、各国政府がそれを非常に重視するようになった。また、保護主義の台頭や、反グローバリゼーションの動向の加速が現れるようになっている。さらに、世界各国は新型コロナウイルス対策として、出入国や移民をめぐる政策を次々に調整した。移民問題は一部の西洋諸国の政党が、新型コロナウイルスが社会にもたらした問題から国民の目をそらすための重要な話題となり、『反移民』という思想の傾向がさらに強まっている。新型コロナや企業活動・稼働の停止による打撃が原因で、社会の人々の感情が非常に不安定になり、それらの国の人々はアジア系移民に怒りの矛先を向けやすい状態になっている」と指摘している。
そして、「新型コロナの影響で、世界の優秀な人材の流動にも変化が生じる可能性がある。新型コロナウイルス感染拡大期間中は、人材が実体空間において国際移動するのは困難であるものの、バーチャル空間における世界の優秀な人材の流動の頻度は大幅に上昇している。例えば、一部の国際的に有名な大学は、外国人留学生を対象にオンライン授業を実施し、多くのグローバルテクノロジーや人材交流イベントがオフラインからオンラインに場所を移して展開されるようになっている。客観的に見ると、バーチャル空間内の世界の優秀な人材の流動にとっては新しいチャンスとなっている」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月24日