中国の場合、車両が右側通行であるため、ほとんどの交差点で、軽車両(自転車など原則として原動機を持たない車両)が左折するには、まずは道路の向こう側に渡ってから、左折方向にもう一度道を渡る必要があり、2回信号を待たなければならない。しかし、北京市内環状道路・西二環の月壇北橋交差点に最近、軽車両専用の信号パネルが設置された。これにより、軽車両でも赤信号を1度待つだけで、左折することができるようになっている。北京日報が報じた。
今回新たに設置されたのは指示パネル型の信号で、軽車両を対象にした左折用と直進用がある。パネルには自転車のマークと左折、直進の矢印が表示されている。
現場に足を運ぶと、軽車両が赤信号で止まる必要がある時は、指示パネルの矢印も赤で表示され、左折可能になると、左折の矢印が青に変わっていた。軽車両が左折する際、歩行者のようにまず直進、そして左折という二段階で渡る必要が無くなり、自動車と同じように直接左折することができるようになっている。
他の交差点と比較して見ると、指示パネルが設置されたことで、軽車両に乗っている人にとって非常に便利になったほか、左折する時に、歩行者と接触することもなくなり、左右に気を配りながら道を渡る必要がなくなった。
「軽車両にとても配慮した対策だと思う。時間が大分節約できる」。取材では、この交差点を通る軽車両のほとんどはすでに戸惑うことなくスムーズにその指示パネルに従って通行していた。この対策を最も歓迎しているのは、間違いなく、一分一秒を争って働いているデリバリー配達員だろう。
この交差点は、金融街に隣接しており、正午や夕方になると、周辺のレストランにはホワイトカラーからたくさんのデリバリーの注文が入る。そのため、配達員が軽車両専用道路の「主役」になる。ある配達員は、「数分待つというのは、普通の人にとってはなんともない事かもしれないが、配達員にとっては、数分節約できると、その分早く配達できる。もしこれから、他の交差点も全部こういう風になれば、配達の仕事がとてもスムーズにできる」と語る。
北京市交通管理局によると、月壇北橋交差点の最適化は昨年11月から始まり、指示パネルが設置された後は、赤信号を待つ時間が14%短縮され、通行量が14%増加した。
このような軽車両が直接左折できる交差点は、北京に現時点で6ヶ所ある。他の5ヶ所は、後廠村周辺の交差点となっている。この6つの交差点のうち、軽車両専用の電子パネルが設置されたのは月壇北橋交差点が初めてとなる。つまりこれは北京初、市全域で唯一の軽車両専用の指示パネルと言える。
北京交通管理局・科信処の范永強科長は、「今年、月壇北橋交差点をモデルとした、都市スロー・トラフィックシステム関連の設備・施設の最適化は、西二環から西北二環に向けて拡大していく計画」と説明している。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年2月26日