世界で人気の観光スポットであるフランスのヴェルサイユ宮殿がこのほど、デジタル化映像の形で、初めて中国でお披露目された。文匯報が報じた。
パリの南西22キロに位置するイヴリーヌ県ヴェルサイユにあるヴェルサイユ宮殿は300年以上の歴史を誇り、北京の故宮、英国のバッキンガム宮殿、米国のホワイトハウス、ロシアクレムリン大宮殿と並んで「世界五大宮殿」と呼ばれ、1979年には「世界文化遺産リスト」に登録された。
上海市中心部の商業・観光スポット・上海新天地でこのほど、「ヴェルサイユ宮殿中国巡回展-Virtually Versailles」が開幕した。11の展示ホールが設置され、デジタル展の形で、ヴェルサイユ宮殿の歴史、演劇、園芸、建築、芸術などの分野が再現されている。全会場で、360度パノラマ映像や、没入型体験、バーチャルサイクリング、ホログラム、仮想現実(VR)などの手法を駆使して、ヴェルサイユ宮殿の代表的な観光名所や100年以上の歴史ある文化財、歴史上重要な時期を展示。来場者はヴェルサイユ宮殿やその庭園を実際に訪れたような気分に浸ることができる。
デジタル展開催に合わせて、一連の独特な没入型の新体験も用意されている。例えば、秘密の花園展館では、「香りの盛典」を楽しむことができる。そこには、世界的な調香師フランシス・クルジャンが特別に調合した香水「ル プレジール・ロイヤル」の香りが漂う。これはフランス王国国王のルイ14世が最も好きだった花の香りをベースにした香水だという。また、長い年月をかけて形作られてきたダンスが、ヴェルサイユ宮殿の古典主義やバロック建築の要素を背景に、ホログラムの形式で上演され、バラエティに富むヴェルサイユ宮殿の物語を生き生きと描き出す。
デジタル展の開幕式で、ヴェルサイユ宮殿のカトリーヌ・ペガール・プレジデントは、ビデオ通話の形式で挨拶し、「ヴェルサイユ宮殿デジタル巡回展が中国で初めて開催できて、たいへん喜ばしく感じている。2019年、ヴェルサイユ宮殿を訪れた観光客の13%が中国人観光客だった。中国とフランスは世界で有名な文化大国。ヴェルサイユ宮殿デジタル展が中国で開催されるということには重要な意義があり、中国とフランスのさらなる文化交流が促進されると信じている」と語った。
今回の展示は、ヴェルサイユ宮殿と上海上源文化伝播有限公司が共同で開催。5月31日まで上海で開催された後は、北京など中国国内の8都市でも順次開催される計画だ。 (編集KN)
「人民網日本語版」2021年3月3日