RCEPを背景とした中国(無錫)・日本経済貿易協力座談会の様子。(撮影・陳思)
2020年11月、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が調印された。これは地域経済一体化が勝ち取った画期的な進展であり、中日の経済貿易協力にも新たなチャンスをもたらした。このほど、中国人民対外友好協会と(江蘇省)無錫市政府は中日企業協力座談会を共同開催し、中日企業の代表がRCEPを背景とした中国(無錫)と日本の経済貿易協力の新たな構想や措置について議論を行なった。人民網が伝えた。
無錫は日本企業の対中投資で最も重要な拠点の1つで、これまでに1200社を超える企業が進出を果たしている。現時点で、日本の対無錫投資プロジェクトは1255件に上り、累計投資総額は171億3千万ドル(1ドルは約110.6円)に達する。同時に、日本は無錫にとって4番目の貿易パートナーであり、20年の無錫・日本間の輸出入額は103億7千万ドルに上った。
1980年代、日本で歌謡曲「無錫旅情」が大流行し、多くの日本人の記憶に無錫という都市の名前が刻まれた。中国日本商会の小原正達副会長は、「多くの日系企業が無錫に引き寄せられ根を下ろした理由は、単に良好なビジネス環境や発達した製造業があるからだけではなく、無錫は住みやすい都市であり日本企業に友好的な都市であるということがより大きい」と述べた。同商会の高部一郎理事は、「中国の発展ペースは賞賛に値するもので、優れた人材を含む社会的リソースが日系企業を引きつける重要な要因だ」との見方を示した。科特拉(無錫)自動車環境保護科技有限公司の岡崎忠明社長は、「当社の無錫における発展に十分な信頼感をもっている。2020年初めに一度、生産が停滞したものの、当社は同年に過去最高の業績を達成した」と述べた。
中国人民対外友好協会の林松添会長は、「中国と日本は地理的に近く、文化的に通じるものがあり、経済の相互補完性が強い。無錫と日本の協力の基礎はしっかりしており、人的・文化的なつながりも深く厚く、より多くの日系企業が無錫を選択し、中国に根を下ろすことを期待する。中国が質の高い発展と地域におけるRCEP自由貿易区の建設プロセスを推進する過程で協力を深化し、アジアの平和を守り、共同発展を促進するために共同で新たな寄与をすることを期待している」と述べた。
RCEPに調印したことで、中日韓の貿易商品の86%が最終的に関税を撤廃されることになる。在中国日本大使館の田中英治経済公使は、「日本政府の最新の試算によれば、RCEPは多くの面で日本経済を振興することになり、RCEP加盟により日本の国内総生産(GDP)は2.7%増加するとしている」と述べた。無錫市の周常青副司長は、「無錫市は市内の企業が日本の先端の技術、設備、部品の輸入を拡大し、企業がいち早く金融産業、ヘルスケア産業、デジタル経済、知的財産権、越境ECなどでの協力を進め、RCEPの枠組みの下でのサービス貿易協力の新たなチャンスを開拓するよう奨励する」と述べた。
日本の集積回路、機械製造、自動車工業などの優良産業と無錫との発展方向は非常にかみ合っており、無錫はさらに無錫の企業がグリーンフィールド投資、合併買収(M&A)を通じて投資協力を展開するとともに、無錫の企業が日本企業と第三国で投資協力を展開し、より多くの分野で強者連合を進め、より高い次元で優位性による相互補完を行い、ウィンウィン・発展を遂げるよう支援するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年4月2日