5月1日のメーデーに合わせて5日までが5連休となった中国。中国の映画興業データを集計する猫眼専業版の統計によると、5日午後5時の時点で、5連休中の映画興行収入(前売りチケットも含む)が16億元(1元は約16.9円)に達し、メーデーに合わせた連休期間中の興行収入としては、中国映画史上最高記録を塗り替えた。また、動員数や上映数も過去最高を記録した。興行収入ランキングを見ると、ラブストーリーの「你的婚礼(My Love)」が4億9000万元で首位。スパイ・サスペンス「懸崖之上(Impasse)」は、好評を博して、ダークホース的存在となり、興行収入を急伸させている。北京日報が報じた。
5連休に合わせて「你的婚礼」や「懸崖之上」のほか、「秘密訪客(Home Sweet Home)」、「真·三国無双(Dynasty Warriors)」、「陽光劫匪(Tiger Robbers)」、「掃黒·決戦」、「追虎擒龍」、「猪猪侠大電影·恐龍日記」、「尋漢計」などが公開。コメディ、アクション、ファンタジー、サスペンス、ラブストーリーなどのジャンルをカバーしている。ただ、ジャンルこそ多いものの、大作と呼べる作品はなく、社会現象を巻き起こすほどの絶対的ヒット作品も登場しておらず、いくつかの注目作品の興行収入はほぼ横並びの状態だ。興行収入トップの「你的婚礼」と2位の「懸崖之上」の差も1千万元ちょっととなっている。
また、メーデーに合わせて中国大陸部で公開される洋画が2016年以降、初めてゼロとなったことは注目に値する。例年なら、連休に合わせて洋画大作が続々と公開されていた。例えば、2017年には「ワイルド・スピード ICE BREAK」が、2018年には「レディ・プレイヤー1」が、2019年には「アベンジャーズ/エンドゲーム」が公開され、大ヒットを記録した。しかし、今年公開されたのは全て中国国産映画となった。そして、中・小規模のコストの中国国産作品でも、市場を支えることができるということが証明された。
各作品の興行収入を見ると、「你的婚礼」は、1日と2日の1日当たりの上映率、興行収入がトップ。3日目になると、口コミが好調だった「懸崖之上」が追い上げ、1日当たりの上映率と興行収入でトップに立った。
中国の巨匠・張芸謀(チャン・イーモウ)監督がメガホンを取った「懸崖之上」は、特務機関員4人がチームを結成し、極寒の黒竜江省哈爾浜(ハルビン)で秘密の活動に身を投じる物語。パーフェクトなストーリーとは言えないものの、于和偉(ユー・ホーウェイ)や張譯(チャン・イー)、秦海■(チン・ハイルー、■は王へんに路)といった実力派の役者らの素晴らしい演技が見る人の心を揺さぶり、好評を博している。そのため、口コミを見ると、連休に合わせて公開された作品の中では、群を抜いている。
現時点で、「懸崖之上」の興行収入は5億5000万元をすでに上回っている。張監督の作品を見ると、興行収入トップ3は、11 億7300万元で「長城(グレートウォール)」、6億2900万元で「影(SHADOW/影武者)」、6億900万元で「金陵十三釵」となっている。現時点の興行収入の勢いを見ると、「懸崖之上」はあと2-3日ほどで「SHADOW/影武者」や「金陵十三釵」を超えそうだ。そして、最終的に「グレートウォール」を超えて、張監督の作品としては興行収入が歴代トップとなる可能性もゼロではない。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年5月7日