5月6日深夜2時、北京西駅を発車する終電の地下鉄。
時計の針が5月6日0時を過ぎて日付が変わっても、北京西駅には乗客が次々到着していた。武漢から帰ってきたばかりの鄧さんの乗ってきた列車は6日午前1時頃に北京に到着したという。鄧さんは、「地下鉄の終電には間に合わないと思って困っていたが、駅を出ると地下鉄がまだ走っていて、ものすごくホッとした。まさか地下鉄が私の帰宅を待っていてくれるなんて、思いもしなかった」と話した。北京日報が伝えた。
この日当直駅員の劉さん(37)はプラットホームを見回り、時々トランシーバーを通じて駅員たちと連絡をとっていた。5日はメーデー連休の最終日だったため、乗客が非常に多く、彼女の声はすでにすっかりかれてしまっていた。
取材した際、どうして水を携帯しないのかと彼女に質問したところ、新型コロナウイルス感染症の予防・抑制が常態化しているため、地下鉄に乗るときには必ずマスクをしなければならず、プラットホームにいる駅員たちも例外ではない。しかし水を飲もうと思えばマスクを外すことになる。そこで駅員たちは駅の休憩室に入った時だけ、大急ぎで水分を補給するようにしているのだという。
深夜1時50分、運行時間を延長した終電がすでにホームに入っていた。発車を待つ間に、スーツケースを引いた若者が数人、ホームへの階段を駆け下りてきて、車内に入るとほっと一息つき、「地下鉄がこんなに遅くまで走っているなんて思わなかった」とつぶやいていた。
終電が発車すると、駅員たちは点検を行い、電源を落とし、線路を掃除するなどして、メーデー連休明け初日を迎える準備をした。
北京西駅は地下鉄7号線と9号線の乗換駅で、連休明け初日の早い時間のラッシュに対応するため、両路線とも早朝に臨時列車を運行することになった。そのため、駅員たちは前日の終電から初日の始発まで、わずか1時間しか休憩時間が取れないという。
深夜2時、終電が北京西駅を出発した。車内にはすでに居眠りをし始める乗客もいた。
今年の5月4日と5日の夜は、連休のUターンラッシュの乗客に対応するため、地下鉄4号線や7号線など5つの路線が運行時間を翌日午前2時まで延長した。時間が遅くなった2日間の終電車で、のべ3万6千人の乗客が輸送されたという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年5月10日