火星探査機「天問1号」が15日、火星のユートピア平原南部の予定着陸エリアに無事着陸した。着陸成功の瞬間、歓声が上がった北京宇宙飛行制御センターでは、一人の女性ディスパッチャーが冷静な口調で正確に指示を出していた。
彼女の名は鮑碩さん、1992年生まれ。北京宇宙飛行制御センターの設立からこの40年で初めてとなる女性ディスパッチャーだ。
観測・制御任務において、鮑さんは主に口頭での指示と指揮の手配、さまざまな実際の状況の処理を担当する。彼女は天問1号と自分との関係について「最も大切な存在」と語った。
鮑さんは北京宇宙飛行制御センター初の女性ディスパッチャーとして、月探査機「嫦娥5号」の任務期間中に食事休憩なしで20数時間連続で働いた。そしてコードネーム「北京」として次々と指示を出した。
1人のディスパッチャーは高性能のプロセッサのようなもので、大量の情報を集め、その重要性をスムーズに区別しなければならない。少しでもためらえば宇宙船全体の安全に影響が生じうる。
「飛行制御ホールにいったん足を踏み入れると、彼女はまるで人が変わったようになる。長時間水も食べ物も口にせず、休憩すら必要としないほど」、これは同僚の鮑さんへの評価だ。
鮑さんはそのための体力を保つため、毎朝5時起きで朝のジョギングに向かうという。「これまで40年間女性ディスパッチャーがいなかったのだから、私がいい手本とならなければ」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年5月18日