2万ギニアフラン紙幣。
貨幣は国にとって「名刺」のような存在であり、硬貨や紙幣のそれぞれのデザインには重要な意義が込められている。ギニアの2万ギニアフラン紙幣には、中国企業が建設を請け負ったカレタ水力発電ダムが描かれている。中国が建設した同ダムは、「中国の水力発電の誇りと両国の友誼の象徴」と称されている。
ギニアのインフラは長年整備が進まず、電力不足に常に悩まされてきた。コンコウレ川の主流の中流に位置するカレタ水力発電ダムは、ギニア政府が優先的に実施した重要なエネルギープロジェクトだ。ギニアで「大統領プロジェクト」と呼ばれ、大きな期待が寄せられた同ダムは2012年に着工した。
年間を通じて暑いギニアでは、複雑でしかも丁寧な作業を必要とする水力発電ダムを建設するのは至難の業となる。中国人の作業員チームにとっては、厳しい暑さが、毎日直面する試練となり、あるエンジニアは、「作業着を着て、ヘルメットをかぶっていると、1日中、全身汗まみれで耐え難かった」と振り返る。
2014年に西アフリカでエボラ出血熱が流行した時、ちょうどダムのコンクリート打ちが行われる非常に重要な時期だった。そのため、致死率が90%と非常に高いエボラ出血熱が流行していたにもかかわらず、中国人作業員700人全員がギニアに残った。食糧が建設現場まで運ばれてこないため、自分たちで野菜を栽培し、雨季に洪水に見舞われると、緊急対策を講じて工事現場を守った。こうした苦労と努力の甲斐あり、工期は約半年も短縮した。
2015年9月、カレタ水力発電ダムの稼働がついに始まった。発電セレモニーで、アルファコンデ大統領は、「稼働したこのダムは、当国の電力不足を改善し、国民経済の発展に必要なエネルギー的需要を満たし、国民の生活水準を改善するうえで、非常に重要な役割を果たす」と語った。
「家の電気がずっとついている」というのは、ギニア国民の長年の夢だった。カレタ水力発電ダムの稼働が始まり、その夢がついにかなった。同ダムはギニアの歴史に新たな1ページを刻む重大プロジェクトとして、ギニアの人々の心に、「中国による建設」という印象も刻むことになった。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年7月26日