暑い夏がやって来て、今年もまた「人材争奪戦」が始まった。毎年、大企業の採用シーズンになると、これほど熱くなるのはなぜだろうか。インターネット業界が採用の規模を拡大し続けていることにはどんな意味があるのか。「銭江晩報」が伝えた。
ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)を」運営する字節跳動(バイトダンス)社は昨年、21年度秋季の大学での採用活動をスタートし、新卒者を対象に6千以上のポジションの求人を打ち出し、通年の採用者数は1万2千人を超えた。採用したポジションは同社の製品・事業10数分野をカバーするという。この情報が伝わると、Q&Aサイトの知乎で話題になり、ネットユーザーの中には、「これはネット大手がまた新事業を打ち出す前触れでは?」と推測する人も出てきた。
こうした推測は驚くには当たらない。人材を募集するポジションから、企業の発展トレンドを考察したネットユーザーがいる。
今年6月18日には、小米集団が採用活動の公式微博(ウェイボー)で公告を発表し、22年度小米集団グローバルキャンパス採用活動が前倒ししてスタートした。
小米は今回、ハードウェアの開発に関するポジションだけでなく、自動運転に関するポジションも募集した。なぜ募集するのか、理由は容易に推測できる。
今年3月、小米の雷軍会長が非常に重要な情報を発表した。雷氏自身がチームを率い、10年間で100億ドル(1ドルは約110.2円)を投入して、電気自動車の全額出資子会社を設立するというのだ。今回の採用情報から、小米はマーケティングをするのではなく、本気で自動車を作ろうとしていること、そして作ろうとしているのが自動運転の電気自動車であることが確かめられたと言える。
BOSS直聘研究院がこのほど発表した「大卒者専門別就職競争力報告2021」によると、20年下半期以降、中国国内で経済が徐々に回復し、雇用市場の状況も急速に好転している。「21年の大卒者は909万人に達し、大学での採用の規模が著しく回復していることから、全体として雇用情勢は20年よりも目に見えて改善するだろう」という。
注目されるのは、コンピューターサイエンス、人工知能(AI)、ビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、電子通信、バイオテクノロジーなどの主要新工学系専攻が就職活動における競争力で引き続き高い優位性を備え、3年連続で高水準を保ったことだ。
同研究院のデータでは、工学系専攻の学部卒業生が希望する賃金の平均は7022元(1元は約17.1円)で平均値を800元近く上回る。業界内から見ると、これは主に「新インフラ建設」の勢いある発展によるところが大きいと言える。同報告によると、この分野全体で人材が数百万人レベルで不足しているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年7月23日