新疆の綿花収穫は「強制労働」? 実際には50日で収入2万元も可能

人民網日本語版 2021年06月17日09:55

西南政法大学人権研究院と西南政法大学非伝統安全研究所は近々、「新疆綿花のイメージを損なう行為を許してはならない——新疆の綿花生産に『強制労働』は本当に存在するのか」というタイトルの調査研究報告を発表する予定だ。報告の作者である西南政法大学人権研究院の尚海明准教授は、「新疆維吾爾(ウイグル)自治区の綿花生産の機械化水準は、外部の人々の想像を遥かに超えている。また、綿花の収穫は、工場で働くより高収入で、多くの人が争うようにその仕事を選んでおり、『強制労働』など全く存在しない。西洋の学者は、実際の調査や研究をほんの少しでもすれば、『新疆には大規模な強制労働が存在する』といったでたらめの結論を出すことにはならないだろう」と指摘している。環球時報が報じた。

尚准教授は、「この報告をまとめることができたのは本当に偶然。今年3月に、当研究院は非伝統安全研究所と共に、新疆ウイグル自治区に足を運んで、課題調査研究を行った。それはちょうど、『新疆の綿花』が各界で注目を集めている時期で、課題グループはすぐに話し合いをして、新疆の綿花の生産状況に関する調査研究が必要であると判断した。約2週間かけて、阿克蘇(アクス)、喀什(カシュガル)、和田(ホータン)を訪問し、現地の綿花栽培農家、収穫労働者、綿花の仲介業者、綿紡企業のほか、現地の県・郷の政府関係者、村民委員会の関係者などに対し聞き取り調査を行った。さらに、綿花の栽培、農機具の状況などの実地調査・研究を行った」と説明する。

近日中に発表される約一万字に上るこの報告は、「新疆ウイグル自治区南部では常態化する綿花生産の機械化」、「綿花生産の機械化水準向上の原因分析」、「新疆ウイグル自治区南部の人の手による綿花収穫の状況調査」、「結論」の4つのセクションからなっている。調査研究によると、近年、生産の効率を向上させ、生産コストを削減するために、新疆ウイグル自治区南部の綿花栽培農家は、新技術を続々と導入したり、新しい機械・設備を購入したりして、生産の全過程で機械化を実現した。うち、機械による綿花の収穫はトレンドにさえなっている。例えば、アクス地区では、2020年の綿花収穫機の保有台数が834台になり、機械による収穫面積が綿花栽培面積に占める割合は71.3%に達した。

カシュガル市阿克喀什郷の依布拉因·亜森さん宅の多機能トラクター

尚准教授は、「新疆ウイグル自治区は中国の西部に位置し、その農業の発展の水準は、他の地域に比べて遅れているというのが多くの人のイメージであるものの、今回の実地調査・研究では、同自治区の綿花生産の機械化水準は私たちの想像を遥かに超えていることが分かった」と話す。

毎年9月から11月にかけて、同自治区だけでなく、山東省、河南省、甘粛省といった中国各地から綿花収穫の仕事を求めて労働者がやって来る。調査研究によると、それら労働者にとって綿花収穫に従事する最大の魅力は「高収入」だ。

調査研究報告によると、通常、他地域からやって来る労働者が1日に収穫する綿花の量は100‐160キロで、一部の労働者の量は200キロにも達する。それら労働者は50日間働いただけでも、少なくとも1万元(1元は約17.2円)稼ぐことができ、多い人なら2万元以上に達する。「2019年新疆ウイグル自治区の国民経済・社会発展統計公報」によると、2019年、同自治区の住民の1人あたり可処分所得は2万3103元。都市部の住民の1人あたり可処分所得は3万4664元、農村部の住民の1人あたり可処分所得は1万3122元だった。「綿花収穫労働者は、収穫期(9-11月)だけの収入でも、農村部の住民の1人あたり可処分所得を超えることも可能であることは明らかだ」。

カシュガル地区岳普湖県阿洪魯庫木郷の艾孜提艾力·薩呉爾さん宅のドローン

尚准教授は、「カシュガルのある綿紡企業の責任者は、『毎年9、10月になると、当社の従業員の出勤率が低くなる。その理由は、争うように綿花の収穫に行くからだ。綿花収穫の収入は、工場で働く収入よりもずっと多い。そのため、従業員に留まって働いてもらえるよう、皆勤手当を上げた』と話していた。西洋の学者は、実際の調査、研究をほんの少しでもすれば、『新疆には大規模な強制労働が存在する』といったでたらめの結論を出すことにはならないだろう」と指摘する。

そして、「新疆の『強制労働』という嘘は、中国と米国が争い合っているのを背景に、一部の西洋諸国が汚名を着せることで、中国の世界における発言権を奪おうとしていることと関係がある。また、長年、西洋社会に存在する意識や偏見とも関係がある。西洋社会で突然、新疆の『強制労働』という言葉が生まれたのではなく、西洋社会で長年にわたり存在する中国の民族政策、人権の実践に対する偏見の凝縮であり、西洋諸国の発言権をめぐる霸権争いの表れでもある」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年6月17日

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