中国国産ワクチンは、果たしてデルタ変異株に対して効果があるのだろうか?その答えは、「有効で、非常に安全」だ。中国工程院院士の鍾南山氏は7月31日、広州市で開催されたあるサミットにおいて、このように明確に答えた。鍾氏は、「中国が集団免疫を獲得するためには、ワクチン接種率を83.3%まで引き上げる必要がある」と指摘し、ワクチン接種の重要性を人々に強く訴えた。中国青年網が伝えた。
臨床免疫の結果からみると、新型コロナウイルス変異株に対する効果では、シノバック製不活化ワクチン接種によるデルタ変異株に対する血清抗体陽転率はやや低下し87.5%。一方、シノファーム製ワクチンは、アルファ株・ベータ株・デルタ株いずれに対しても有効で、アルファ株に対する有効性は6.7%下落しているものの、基本的に変化はない。ベータ株に対する有効性は47%、デルタ株に対する有効性は32%と、それぞれ低下した。鍾氏は、「これらの中国製ワクチンの研究室での検査から、ウイルスを殺す総合力はある程度低下するものの、有効性は維持されていることが分かる」としている。
鍾氏は、「自然免疫は現実的ではないし、科学的でも人道的でもない」との見方を示した。「大規模なワクチン接種で集団免疫を獲得するまでには、2~3年にわたって世界各国が協力することが必要だ。今のところ、中国でのワクチン接種件数は最も多い。しかし、人口の基数が極めて大きいため、国民100人あたりのワクチン接種率は高いとは言えない。中国が集団免疫を獲得するためには、ワクチン接種率を83.3%まで引き上げる必要がある」と指摘。さらに「今後はワクチン接種ペースをさらに加速させると同時に、デルタ変異株に対してより有効なワクチンの研究開発を進めなければならない」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年8月3日