中国でトークライブが大人気となっているワケは? 笑いながら共感を覚える若者

人民網日本語版 2021年09月14日09:26

中国ではここ数年、トークライブの人気が一気に高まりを見せている。一部のトークライブを取り扱った番組がヒットを飛ばすのにつれて、スタンダップコメディーなどのトーク系コメディのスタイルに対する注目もますます高まりを見せ、番組に出演するタレントの知名度も急上昇している。また、トークライブを取り扱った番組が、オフラインのトークライブの発展を牽引し、トークライブを好み、それに対する理解を深めようとしている若者が増え始めている。これらの若者は、日中忙しく働いた後、夜になると小さな劇場に行って、生活の中であった出来事をおもしろおかしく話すタレントのトークライブを聞き、思いっきり笑ってストレスを解消している。人民日報海外版が報じた。

友人らと集まって、互いにおもしろおかしいことを話し、楽しかったことを共有したり、嫌なことを笑って吹き飛ばしたりするというのが、多くの人にとって生活の一部となっている。それも、トークライブを取り扱った番組が近年、高い人気を集めている主な原因の一つだ。以前とは異なり、中国人も自信をつけ、善意のジョークや皮肉、ツッコミなどを受け入れる心の余裕ができている。こうした状況は、若者には特にはっきり見られる。8月に閉幕したばかりの東京五輪で、「00後(2000年以降生まれ)」の選手は、勝っても負けても落ち着いた表情で笑みを浮かべ、観戦者も勝ち負けで一喜一憂したりするのではなく、試合を楽しんで観戦していた。これらはいずれも中国の今の若い世代の自信にあふれ、リラックスしている心の状態の表れと言えるかもしれない。

またトークライブを取り扱った番組が人気となっているもう一つの理由は、若者らの暮らしに焦点を当てている点だ。現在人気となっているトークライブを取り扱った番組は、より生活に身近な内容にするために、スタンダップコメディアンなどのトークを専門にしているタレントを出演させているほか、垣根を越えてさまざまな業界の人々をゲストとして呼んでいる。そして、より暮らしに身近な、暮らしにまつわるテーマを選び、結婚や男女、家庭、健康、職場といった現実社会の話題にスポットを当てている。このように誰もが日々の暮らしの中で経験することは、いずれもトークライブのテーマにすることができる。そして、色々な事柄に対する、色々な考え方を、おもしろおかしく話しながら、共鳴し、共感を覚え、共通の認識を形作っていく。実際の暮らしと融合させながら、トークライブは多種多彩な中国の青年文化をも描き出している。

若者がそれを見て楽しみ、リラックスできるかが、トークライブを取り扱った番組が生き残るためのカギで、おもしろいだけでなく、意義の有無によってその価値も決まる。中国では新たなジャンルであるトークライブを取り扱った番組というのは、視聴者やユーザーの監督が必要で、批判されたり、提案されたりしながら、少しずつ調整していかなければならない。そして、健全な内容や芸術的表現、温かみのある観点などを通じて、社会の主流価値と最大限共存し、その質を高め、息の長い番組にしなければならない。(作者:清華大学教授・尹鴻)

(編集KN)

「人民網日本語版」2021年9月14日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング

  • 全部
  • 経済
  • 社会
  • 政治