中国における小康社会の全面的完成を5方面から読み解く

人民網日本語版 2021年09月29日14:33
中国における小康社会の全面的完成を5方面から読み解く

国務院新聞弁公室は28日、「中国の全面的小康」白書を発表し、記者会見を行った。

■貧困脱却の難関攻略に決定的勝利を収めた

「農村振興戦略の実施以来、農業は安定的に発展し、農村は調和が取れて安定し、農民は幸福かつ平和で健康に過ごしてきた」。農業農村部(省)の劉煥鑫副部長によると、農村の貧困層9899万人が全て貧困から脱却し、農村の絶対的貧困という問題は歴史的解決を果たした。食糧生産量は6年連続で6億5000万トン以上で安定し、「17年連続の豊作」を実現した。農業現代化のペースが明らかに加速し、累計8億ムー(1ム―は約666.7平方メートル)の高規格農地を整備し、農業科学技術の進歩の寄与率は60%を超えた。農村の建設を着実に推進し、電力や舗装道路、4Gネットワークが村々にほぼ普及し、農村の衛生的なトイレの普及率が68%を超えた。都市部と農村部で統一された住民基本養老保険(年金)制度、基礎医療保険制度、重大疾患保険制度を確立した。

■人々の生活水準が著しく向上

「1978年には中国全土の住民の1人あたり可処分所得はわずか171元(1元は約17.2円)だったが、2020年には3万2189元に達した。都市部と農村部の住民のエンゲル係数は1978年の57.5%と67.7%から、それぞれ29.2%と32.7%に下がった」。国家発展改革委員会の趙辰昕秘書長によると、衣食の問題が解決された後、人々は生活により高い質を求めるようになり、消費構造は生存志向から発展志向、改善志向への移行を果たし、人民大衆の生存権と発展権が効果的に保障された。

■住民の所得分配システムが徐々に改善

寧吉喆・国家発展改革委員会副主任兼国家統計局局長によると、2011年から2020年にかけて、農村住民の1人あたり可処分所得の年平均名目成長率は10.6%で、都市住民を1.8ポイント上回り、都市住民と農村住民の1人あたり可処分所得比は、2010年の2.99から2020年には2.56へと年々下がってきている。都市部住民と農村部住民の所得格差は縮小し続けた。2011年から2020年にかけて、所得が最も高い省と最も低い省の1人あたり可処分所得の相対的格差は年々縮小し、所得比は2011年の4.62から2020年には今世紀に入ってから最も低い3.55にまで下がった。2009年以降、全国住民の1人あたり可処分所得のジニ係数は変動しながらも低下傾向を示し、2020年には0.468にまで下がり、異なる層の住民間の所得格差が全体的に縮小した。

■基本的公共サービスの均等化が加速

寧吉喆氏によると、世界最大の社会保障ネットワークを構築し、基本医療保険は13億5000万人以上をカバーし、基本養老保険は10億人以上をカバーした。各種「保障性住宅」(政府補助のある低中所得者用住宅)やバラック密集地再開発による立ち退き者用の住宅など8000万戸以上を建設し、困窮者2億人以上の住宅環境の改善を支援した。教育の公平性と質を高め続け、2020年には9年制義務教育の定着率が95.2%に達した。基礎医療・公共サービスが改善された。

■物質文明と精神文明の協調ある発展

「小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に完成させる過程において、中国国民は物質的に豊かになっただけでなく、精神的にも強くなった」。徐麟中共中央宣伝部副部長(国務院新聞弁公室主任)によると、精神文化産品が豊かになり続け、中国の成人国民の総合読書率は81.3%に達し、全国の映画スクリーン数は世界最多の8万スクリーンに達し、2019年の映画興行収入は642億元を超えて世界第2位となった。公共文化サービスの標準化と均等化を進め、都市部と農村部の双方をカバーする6級公共文化施設ネットワークを構築した。文化と観光は融合的に発展し、2019年には国内観光者数が延べ60億人を超え、観光総収入は5兆7000億元に達した。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年9月29日

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