中国通信学会副理事長を務める北京郵電大学学長の喬建永教授はこのほど、「6G技術は通信、感知、計算を融合させる破壊的イノベーション技術だ。5Gモバイル通信技術の大規模商用化に伴い、中国、米国、ドイツ、日本、韓国など複数の国がすでに6G通信技術の研究と模索を開始している。中国は現在6G技術の研究開発で世界の先頭を走っており、大規模試験及び典型的応用モデル事業は早ければ2024年末までに行われる可能性がある」と述べた。光明日報が伝えた。
喬氏は、「6Gは5Gの必然的な進化の方向として、感知の精度を高め感知の距離を延ばすために、人・機械・物のスマートな接続で効果的なコネクティビティの通信ネットワークを構築し、一体化した多次元データ共同処理を実現する必要がある。これらは未来の情報通信理論及び技術における世界の最先端分野に当たる。計画によると、世界の6Gの大規模商用化は2030年頃に実現される見通しだが、中国の6Gに対する重視及びテクノロジーイノベーション能力を鑑みると、6Gの大規模試験及び典型的応用モデル事業は早ければ2024年末までに行われる可能性がある」と説明した。
■6Gが自動運転やメタバースなどの分野で大活躍へ
中国通信学会常務理事を務める北京郵電大学情報・通信工学院執行院長の彭木根氏によると、6Gの応用は非常に幅広く、自動運転など現在の多くの分野のボトルネック問題を解決できる。
彭氏は、「現在のスマートカーの感知能力は主に、カメラ、ミリ波レーダー、GPS、レーザーレーダーなど本体に搭載される複数のセンサーに頼っている。総合的な精度はセンチメートル級、さらにはミリメートル級にのぼるにもかかわらず、依然として自動運転の需要を満たせていない。感知範囲の制限と感知精度の不足により、アクシデントに対処する能力が不足しているからだ。将来的に6Gネットワークにより、現在の自動運転やスマートIoV(車のインターネット)の発展を妨げるボトルネック問題を順調に解決できるようになる」と述べた。
「最近流行のメタバースも6G技術のサポートが必要だ。現在のバーチャル世界の感知は主にカメラ、フォトダイオード、飛行時間センサー、慣性センサー、コントローラーなどに頼っている。ディスプレイはヘッドマウントディスプレイまたはホログラフィックグラスに頼っている。その体験は深い没入には遠く及ばない。未来の6Gはメタバースにリアルタイムのインタラクション、大容量、全要素感知などを提供し、ユーザーに実際にその場にいるようなリアルな体験をもたらすことができる」と彭氏。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年11月16日