中国国務院共同対策メカニズムは11月30日に開いた記者会見で、さらに徹底した新型コロナウイルスワクチン接種に関する状況を説明した。中国国家衛生健康委員会の報道官を務める宣伝司の米鋒副司長は、11月29日の時点で、中国全土で報告された新型コロナウイルスワクチン接種回数は24億9981万3000回、接種完了者の数は11億人の大台を上回り、11億1050万6000人に達したことを明らかにした。人民日報が報じた。
米副司長は、「世界の新型コロナウイルス新規感染者は依然として増加しており、1日当たりの新規感染者数は、前回の波のピーク時に近づいている。加えてオミクロン株が一部の国や地域に拡散しており、中国の海外からの流入リスクが高まっている。11月以来、中国の新規国内症例のほとんどが国境や通関地がある都市に集中している。高齢者や3—17歳のグループのワクチン接種を加速させ、重点グループの免疫強化を推進する」と説明した。
内蒙古(内モンゴル) 呼倫貝爾(フルンボイル)市で最近、集団感染が発生していることについて、国家衛生健康委員会疾病予防管理局の二級巡視員・崔鋼氏は、「11月29日24時の時点で、今回の感染拡大の感染者は累計で42人に達した。うち、フルンボイル市が39人、通遼市が2人、黒竜江省斉斉哈爾(チチハル)市が1人。ウイルスのゲノムシーケンシングの結果により、今回の感染拡大は、これまでに中国国内で発生した感染拡大とは関連性がなく、海外からの流入が感染源の新たな感染拡大であることが分かった。関連のスクリーニングが行われている」と説明した。
また、ワクチン接種については、「11月29日の時点で、中国の60歳以上の高齢者2億1517万9000人が接種し、うち2億631万7000人の接種が完了している。高齢者は基礎疾患を抱えているケースが多く、抵抗力が弱いため、各地に対して、接種前に、健康状況や接種のアレルギー症状について、しっかりと確認するようにと指示している」とした。
国務院共同対策メカニズム科学研究難関攻略グループワクチン研究開発グループのグループ長を務める、国家衛生健康委員会科技発展センターの鄭忠偉主任は、「中国の高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種率は比較的低い。一部の省・区・市の80歳以上の高齢者の接種率は30%未満、70歳以上の高齢者の接種率は50%未満。高齢者は新型コロナウイルスに感染すると、重症化、死亡するリスクが非常に高い。中国が現在使用しているワクチンは、関連機関が条件付きで発売や緊急使用を承認する前に、高齢者を含む全てのグループを対象に、第一、第二、第三相試験を実施しており、その安全性が確認されている」と説明した。
中国はオミクロン株対応ワクチンの研究開発スタート
世界で注目を集めているオミクロン株について、中国疾病予防管理センターのウイルス感染症予防管理所の許文波所長は、「オミクロン株には3つの重要なアミノ酸変異ローカスが存在しており、免疫を回避する能力を秘めていることを示している。ただ、それら変異ローカスが重なったことで、免疫を回避する性質が高まるのかは今のところはっきりしない」と説明した。
そして、「オミクロン株に対して、中国は技術ストックが完了している。不活化ワクチン、組み換えタンパクワクチン、ベクターワクチンなどの前期技術研究は終わっており、設計が既に始まっている」と強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年12月1日