六中全会

中国国産の新型コロナワクチン、25種が臨床試験段階に

人民網日本語版 2021年11月23日13:15

国務院共同感染対策メカニズム科学研究チームワクチン研究開発専門班作業グループ長を務める国家衛生健康委員会医薬衛生科学技術発展研究センター長の鄭忠偉氏は、「中国では現在25種の新型コロナウイルスワクチンが臨床試験段階に入っている。そのうち4種が国家薬品監督管理局から条件付きで承認されており、3種がこのほど中国での緊急使用、14種が海外での第3相臨床試験が認められている。全体的に順調に進んでいる」と説明した。光明日報が伝えた。

■5本の技術ロードマップがすべて臨床試験を実現

新型コロナウイルス感染症が発生してから、中国は直ちに不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、アデノウイルスベクターワクチン、核酸ワクチン、弱毒化インフルエンザウイルスベクターワクチンという5本の技術ロードマップを実施した。鄭氏は、「同時に新型コロナワクチンの研究開発を推進し、5本の技術ロードマップのすべての臨床試験を実現している」と述べた。

鄭氏は、「アデノウイルスベクターワクチンのうち1種が国家薬品監督管理局から条件付きで承認されており、中国国内で大規模接種が展開中だ。別の3種は第1、第2相臨床試験を実施中で、全体的に順調に進んでいる」としている。

これまで組換えタンパクワクチンは販売されていない。鄭氏は、「現在まで1種が国家薬品監督管理局から緊急使用を認められており、近いうちに条件付きの販売を申請できる見込みだ。中国はさらに海外で4種の組換えタンパクワクチンの第3相臨床試験を実施しており、4種の第1、第2相臨床試験を実施している」と述べた。

弱毒化インフルエンザウイルスベクターワクチンの1種が海外での第3相臨床試験が承認されており、近いうちに海外で第3相臨床試験を実施する。核酸ワクチンのうち1種のmRNAワクチンと1種のDNAワクチンが海外での第3相臨床試験が承認されており、近いうちに関連する研究を開始する。

■中国国産ワクチンの高い安全性と有効性が研究で明らかに

中国の監督管理機関、研究開発機関、研究開発者は研究開発を開始した後、新型コロナワクチンの安全性と有効性を第一位に置いている。鄭氏は、「関連審査・承認の要求に基づき、現在使用されている新型コロナワクチンは関連機関の条件付きの承認もしくは緊急使用より先に、全グループの第1、第2、第3相臨床試験を展開した。研究結果によると、ワクチンは高い安全性と有効性を持つ」とした。

データによると、中国製ワクチンは海外の感染症流行国で10数億回、中国国内で20数億回接種されてきたが、安全性が高く副反応が少ない。

鄭氏は、「国薬中生武漢研究所と北京研究所の不活化ワクチンの有症状感染の予防効果はそれぞれ72.8%、78.1%にのぼり、2回の接種の重症化の予防効果は100%にのぼる。科興のトルコとインドネシアにおける第3相臨床試験の結果によると、ワクチンの有症状感染の予防効果はそれぞれ83.5%と65.3%で、重症化の予防効果はいずれも100%」と述べた。

人々の間で関心が高い、接種済みの人が新型コロナウイルスに感染する確率について鄭氏は、「今年8月頃の江蘇省などでの感染を例にすると、8月25日時点で報告された計1388人の感染者はいずれもデルタ株感染だった。大まかな分析によると、2回の接種後から14日かそれ以上経過した感染者のうち重症化したのは5人にとどまり、すべての重症者の約5%だった。60歳以上の重症者のうち97%は未接種か2回の接種を終えなかった人で、重症者・重篤者はいずれも未接種だった。一方で、広東省で今年5月時点で報告された190人の現地感染者は主にデルタ株感染だった。鍾南山院士が組織した、広東省の新型コロナワクチンの予防効果に関する研究によると、国薬中生と科興中維の2種の不活化ワクチンの中等症予防効果は70.2%、重症予防効果は100%だった」と説明した。

鄭氏は、「同時に我々が広東省、江蘇省、福建省、内蒙古(内モンゴル)自治区などの重症者を対象に行った初期段階の分析によると、重症化しても接種済みの人の大半が短期間内に中等症に転じた。広東省と江蘇省の中等症に転じていない重症者のすべてがワクチン未接種者であることが注目される」と強調した。

■もし深刻な変異株が出れば関連ワクチンが早いうちに生産可能

全国の感染症は引き続き頻発する状況にある中、では、新型コロナウイルスの変異が加速したのだろうか。

鄭氏は、「相対的に見ると、世界的に変異が続いているものの、比較的安定している。また最近の国内で散発した感染事例を見ると、国産ワクチンはデルタ株に対して依然として有効だ。備えあれば憂いなしのためには、各国は変異株のワクチンの研究開発を進めている。中国はいち早く計画を立てており、各ワクチン研究開発機関は主要変異株のワクチンの一連の作業を進めており、遅れていない」と述べた。

鄭氏によると、中国はすでにガンマ株とデルタ株の不活化ワクチンの研究を実施し、臨床前の研究を終えており、一部の機関は国家薬品監督管理局薬品審査評価センターに臨床試験申請書類を提出している。一部機関は2価ワクチンの臨床前の研究を行っている。

鄭氏は、「各変異株の広域スペクトルもしくは多価組換えタンパクワクチンの研究に対して、一部の機関は国家薬品監督管理局薬品審査評価センターに臨床試験申請書類を提出している。ベータ株とデルタ株を対象とするアデノウイルスベクターワクチンと核酸ワクチンの研究開発について、一部の機関は動物による有効性と安全性の実験を完了しており、臨床試験の申請準備に入っている」と説明した。

また、関連機関も変異株のワクチンの研究開発と評価の指導原則を大まかに策定している。鄭氏は、「深刻な変異株が発生した場合、この変異株のワクチンを早いうちに生産できる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年11月23日

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