新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に影響される中、欧米市場は26日にブラックフライデーセールを迎え、株価と原油価格がともに大幅下落した。分析によると、世界市場は今週も圧力に直面するとみられるが、中国国内は有効な対策措置により、A株市場の受ける影響は限定的なものにとどまるだろうという。「環球時報」が伝えた。
28日には取引をスタートした中東の株式市場が開始早々大幅に下落し、オミクロン株と関わりを持つ市場にはパニック心理が広がり、ドバイ金融市場総合指数は取引を開始して5%以上下落し、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(ヨーロッパ、中央、アメリカ地域)は2.9%低下した。26日には、ダウ平均が70年ぶりの最低となって「ブラックフライデー」を迎え、欧州市場にもパニックムードが広がり、主要株価指数は26日に全面的に下落した。海外メディアの一般的な見方は次のようなものだ。オミクロン株の出現により世界の投資家が新たな感染症の波が襲来するのではないか、最近になってやっと訪れた国際経済の回復状況を阻むのではないかと懸念し、複数の国の市場でパニック的な投げ売りが行われている。またウイルスの拡散を防止するため、英国、米国、カナダなどが渡航制限措置を相次いで打ち出し、観光や航空などの関連業界は大きな打撃を受けた。
同じように影響を受けるのは国際原油価格だ。米国WTI原油先物は1月引き渡し分が先週金曜日に13%以上下落して68.15ドル(1ドルは約113.2円)となり、10ドルを超える下落幅は2020年4月以降の1日あたり低下幅としては最大だ。ロイター通信によれば、米国をはじめとする主要石油消費国が共同で石油の備蓄を放出したため、世界的な原油の供給過剰に対する市場の懸念がこれから高まるという。
今週の中国市場と世界市場の動向について、海通証券は研究報告書の中で、「7月のデルタ株に比べ、今回の変異株が引き起こす海外市場の下落幅はより大きいとみられる。しかし中国は厳格な防疫の管理コントロール措置とワクチンの急速な普及により、7月中旬に米欧の株式市場で起きたパニック心理がA株市場に波及することを防ぎ、A株の動きは相対的に安定していた。現在の中国の常態化した感染症対策を背景として、今回の新型の変異株の登場が中国株式市場に与える影響が限定的なものにとどまるだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年11月29日