広東省深センから広西壮(チワン)族自治区金城江に向かう列車で12月6日、1人の妊婦が突然陣痛を訴えた。その緊急事態に際し、鉄道関係者は車両を急ごしらえの「分娩室」にする緊急対応を行い、女性は車内で無事女児を出産した。
妊婦が突然「生まれそう!」
「列車長!11号車両に一人で乗っている妊婦が陣痛を訴えています。生まれそうです!」。12月6日午前7時40分、広西柳州と宜州の区間を走っていたK949号の列車に乗っていた妊婦の王さんが助けを求めているという連絡を受け、列車長(乗務責任者)の覃賢文さんはすぐに、車内放送をして医師を探した。そして、次の停車駅である宜州駅に医療サポートを求めた。
8時11分、王さんは破水。助産の経験があるという医療従事者が駆け付けたほか、お湯やアルコールなどの消毒用品を準備して出産に備えるなど、力を合わせて急ごしらえの「分娩室」を整えた。
妊婦の手をしっかり握って励ましたという列車の車内放送員・玉海鳳さんは、「数十年この仕事をしているが、列車で出産という経験は今回が初めて。とても緊張したが、冷静になるよう自分を戒め、妊婦にも、『落ち着いて。私たちがいるし、もうすぐ駅に着けば、医師も来てくれるから』と励ました」と話す。
列車の出発を急遽約30分遅らせて赤ちゃんの無事誕生をサポート!
8時22分、列車は宜州駅に到着。ホームですでに待機していた救急隊員は直ちに車内に入ると、急ごしらえの「分娩室」で出産をサポートした。
知らせを受けた列車のディスパッチャーである李庚さんは、上司の許可を得て、迅速にダイヤを調整し、出発時間を8時31分から9時まで遅らせて、妊婦のサポートのために約30分の時間を捻出した。
それから20分後、無事女の子が産声を上げた。玉さんは医療従事者と共に、慎重に清潔なシーツで赤ちゃんをくるんだ。その後、母子は病院に移送された。
実は、玉さんはこの日、駅に到着したら定年退職を迎える現役最後の乗務だったため、「現役最後の乗務は、平々凡々とこの大好きだった職場から離れるのだと思っていたら、天から思いがけないプレゼントをもらうことになった。定年退職前に、小さな天使の到来を迎えることができるなんて」と喜んだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年12月10日