ダウンジャケットで有名なカナダグースがネットで炎上した後、ネットユーザーはほかにも複数のぜいたく品ブランドにも返品・交換ルールに関して「ダブルスタンダート」の状況が見られることに気づいた。エルメスやグッチなどのビッグブランドも含まれるという。
情報共有型SNSプラットフォームでは、「ぜいたく品の返品ルール」のスレッドが1800以上も立っている。内容の大部分はぜいたく品の返品・交換ルールの詳しい説明で、一部ユーザーからの「差別があり、返品が難しいのが共通認識」といった問題提起もある。
世界のどの店舗でも返品・交換を受け付けるが、中国大陸部は除く
ルイ・ヴィトンは中国大陸部市場での返品・交換ルールについて、消費者が注文を取り消し、商品を返品し、契約を解除できるのは7日以内としているが、香港地区は14日以内、米国と英国は30日以内だ。グッチの返品・交換ルールでは、大陸部市場の消費者が契約を解除できるのは14日以内、英国は30日以内、米国は45日以内となっている。
ECルートでぜいたく品を購入した消費者については、商品に問題があるとの苦情を伝えれば、それに対する回答は得られるが、さまざまな理由により返品は拒否される可能性がある。
複数のメディアがヴィトン、バーバリー、エルメスなどのぜいたく品ブランドにたずねたところ、申し合わせたように「専門店でお買い上げになった商品は交換はするが返品は受け付けない。ECプラットフォームでは『EC法』の保護を受け、ネット通販で買った商品は7日以内なら返品ができ、14日以内なら交換ができる」との回答が返ってきた。購入後に商品の品質に問題があることがわかった場合の解決方法については、複数の店舗が正面から回答することを避けた。
中国中央テレビの取材により、ヴィトンは返品・交換ルールの最後に、「世界のどの店舗でも返品・交換を受け付けるが、ブラジル、中国大陸部、コロンビアなどのエリアは除く」とわざわざ書き添えていることがわかった。
中央テレビ網はこれについて公開の質問状を送り、これは中国市場でもうけるのは非常にたやすいということなのか、それとも御社の商品に対して有り余る自信があるからなのかとたずねた。
消費者の甘やかしでブランドは傲慢になったのか?
ぜいたく品の専門店カウンターでの返品に中国と海外とで異なるという問題はこれまでもずっと存在していたが、中国のぜいたく品市場の発展状況は好調で、さらに消費者の大部分が「販売する商品は一律返品不可」の専門店で購入していた。
データによると、2011年から20年まで中国国内のぜいたく品売上高は右肩上がりで、20年には約48%の成長率を達成して、3460億元(約6兆1435億円)に迫った。
業界関係者は、「多くのぜいたく品ブランドは中国では以前は『一度販売した商品は一律返品をうけつけない』としていたが、ここ数年は中国の法律法規に従って一部の条項を修正したところが多い。しかし返品交換が難しいという問題は引き続き存在し、この問題はこれまであまり重視されてこなかった」と述べた。
中国の消費者と消費市場の環境がますます成熟してくると、より多くの国際大手ブランドの「ダブルスタンダダード」行為はもう消費者に受け入れられなくなった。さきに関連機関が発表した「大衆の海外ブランド消費行為調査報告」によれば、回答者の60%が「海外ブランドに中国・海外のダブルスタンダードの現象があることを知っている」と答え、40%以上が「ダブルスタンダードに遭遇したら、断固抵抗する」と答え、70%が「国産品を消費する割合を増やす」とし、半分の人が「海外企業の一貫した思考パターンと傲慢さを打破し、中国内外の基準ができるだけ早く統一されることを願う」とした。
中国消費者協会は、「消費者の権利を尊重し、消費者の権利を保障することは経営者の果たすべき義務であり、この点についてはいかなる企業にもブランドにも例外的な特権はない」と強調した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年12月7日