中国人民銀行(中央銀行)は今年11月、新たな構造的金融政策ツールを2つ打ち出した。1つは二酸化炭素(CO2)の排出削減を支援するツール、もう1つは石炭のクリーンで高効率な利用を支援する特定再貸付だ。人民銀行が12月30日に行った小規模・零細企業向け金融サービスとグリーンファイナンスに関する記者会見で、同行金融政策司の孫国峰司長は、「現在、両ツールとも順調に実施されている」と述べた。「証券日報」が伝えた。
孫氏の説明によると、人民銀行は関連の金融機関にCO2排出削減支援ツールの第一弾の資金として855億元(1元は約18.0円)を放出し、金融機関が要求に合致したCO2排出削減のための貸出1425億元の放出を支援する。貸出を受けた企業は合わせて2817社に上り、CO2排出削減量は2876万トンに達した。今後も引き続きこの2つのツールを十分に利用して、社会の資金がグリーン・低炭素分野により多く投入されるよう奨励し、二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルを科学的に秩序よく実現するようサポートするという。
孫氏は、「両ツールは資金面の支援提供の方法として、どちらも『先に貸出、後から借入』の直通メカニズムを採用し、金融機関が自主的に方針を決定し、自らリスクを背負って関連分野の企業に優遇金利で貸出を行うと、人民銀行が要求に合致した貸出を対象に、貸出額に対して一定の割合で、低コストの資金面の支援を提供する。CO2排出削減支援ツールの割合は60%、石炭のクリーン高効率利用支援の特定再貸付の割合は100%、金利はいずれも1.75%とする」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年12月31日