最近、「台湾地区の海運会社の長栄海運が年末ボーナスとして給与の40ヶ月分を支給した」とのニュースが伝わると、「太っ腹!」と大きな反響があった。中新経緯が伝えた。
この大盤振る舞いの背景には、長栄海運が誇るべき業績を上げたことがある。昨年の国際海運運賃はうなぎ登りで、海運企業も大きな利益を上げたのだ。
海運企業の業績が上昇
長栄海運が発表した売上高データによると、2021年1-11月の売上高は4599億5200万台湾ドル(1台湾ドルは約4.2円)に達し、20年同期を大幅に上回った。
このことは多くの海運企業の状況の縮図でもある。
21年11月、世界最大の海運大手のA.P.モラー・マースクが発表した第3四半期(7-9月)決算では、売上高は前年同期比68%増の166億1200万ドル(1ドルは約115.9円)だった。うち海運業務の売上高は130億9300万ドルで、前年同期の71億1800万ドルを大幅に上回った。
中国のコンテナ輸送のリーディングカンパニーである中遠海運控股(コスコ・シッピング・ホールディングス)が発表した21年第1-3四半期(1-9月)の報告では、上場企業の株主に帰属する純利益は同1650.97%増の675億9千万元(1元は約18.2円)に上った。同年第3四半期だけで、同純利益は同1019.81%増の304億9200万元に達した。
グローバルコンテナ企業の中国国際海運集装箱集団(CIMC)は、21年第1-3四半期の売上高が同85.94%増の1182億4200万元になり、株主に帰属する純利益は同1161.42%増の87億9900万元を達成した。
世界の海運運賃、なぜこれほど急上昇?
海運関連企業の業績が全面的に好調なのは、国際海運運賃の急上昇という追い風を受けてのことでもある。
中遠海運の21年第3四半期決算によると、21年1-9月には、中国輸出コンテナ運賃指数(CCFI)は平均で前年同期比168.50%上昇の2398.80ポイントとなった。企業のコンテナ水上輸送業務の貨物輸送量は同約8.03%増の2044万7100TEU(20フィート標準コンテナ換算)だった。量が増え価格も上昇して、全体的な業績が前年同期に比べて大幅に上昇した。
商務部(省)国際貿易経済協力研究院の梅新育研究員は、「2020年下半期から、グローバル貿易の回復上昇により、海運運賃が上昇した。この回復上昇は東アジアで、とりわけ中国で非常に集中的に現われ、中国関連の海運運賃のさらなる上昇につながった」との見方を示した。
また梅氏は、「新型コロナウイルス感染症の初期には、国際輸送の状況が急激に悪化し、環境保護の要求などを受けて、世界の水上輸送業が一部の老朽化した船舶を廃船にしたことによりその後の輸送力に影響が出た。またこれまで西側諸国が行ってきた金融緩和政策が、物品とサービスの価格を押し上げた。感染症の影響により、船員の供給には限界があり、これに市場に存在する投機的要因が加わって、海運運賃をさらに押し上げることになった」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年1月7日