曲春雨選手(右)
ショートトラックスピードスケートの大会日程終了に伴い、今回の北京冬季五輪ショートトラック中国代表は金2、銀1、銅1のメダルを獲得した。ここでは試合を振り返り、再びスピードスケート選手の重要装備であるヘルメットに注目しよう。科技日報が伝えた。
武大靖選手のヘルメットの名称は「華夏戦神孫大聖」で、曲春雨選手のヘルメットの名称は「矯若遊龍」だ……冬季五輪競技場の彼らのヘルメットは中国風で、威風堂々としているだけでなく、テクノロジーも満載だ。
ショートトラックスピードスケートについて言えば、ヘルメットは選手の身体の安全を守る必需装備として、選手の空気抵抗に重要な影響を及ぼす。中国選手のヘルメットはこれまで完全に輸入に依存していた。よく見かける2010年版ショートテールヘルメットと2013年版テール無しヘルメットは、中国選手のスピードの特徴に合わせ最適化されていなかった。
しかし平均スピードと競技の成績を着実に上げる実力派の選手が増えてきたのにつれ、「テック冬季五輪」重点特定プロジェクト「ウインタースポーツ空気抵抗低減キーテクノロジー及びプラットフォームの研究」の研究開発任務を担当する清華大学摩擦学国家重点実験室の汪家道氏のチームは指示を受け、中国選手の典型的なスピードに合わせた空気抵抗低減最適化ヘルメットの研究・製造に当たった。
汪氏のチームは中国代表の候補となっていた2010年版と2013年版のヘルメットの3Dスキャン・モデリングを行ってから、計算流体力学を通じ空気抵抗及びフローフィールドの特徴をシミュレーション・分析した。ミクロ構造圧力抵抗軽減のメカニズムに基づき、チームはショートトラックヘルメットの空気抵抗最適化プランを設計するとともに、柔軟性構造製造技術によりヘルメットの表面処理を実現した。最終的には3Dプリント人体模型を使い二七トレーニング拠点総合風洞で風損測定・評価を行った。完成した空気抵抗低減ヘルメットは、ショートトラックスピードスケート中国代表が平昌冬季五輪で使用したものと比べ、空気抵抗を最大で8%減らした。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年2月21日