ロシア・ウクライナ紛争が欧州に大きな打撃を与え世界に波及

人民網日本語版 2022年03月23日14:36

最近、複数の国際機関がロシア・ウクライナ紛争に関する研究報告書及び専門的テーマの文章を相次いで発表している。こうした各方面の研究を総合すると、ロシア・ウクライナ紛争は世界経済の見通しを急速に悪化させており、短期的には欧州経済に深刻な影響を与えることが予想され、長期的にはグローバル経済と地政学の秩序を根本から変えることが予想されるという。「経済日報」が伝えた。

国際通貨基金(IMF、本部は米国・ワシントンD.C.)のアジア太平洋局の李昌鏞局長を含む複数の幹部が現地時間の3月15日に共同で文章を発表し、「ロシア・ウクライナ紛争はグローバル経済に重大な打撃を与え、世界の経済全体がウクライナ情勢と対ロシア制裁のマイナス影響を受けている。こうした影響はこれから成長の鈍化とインフレの激化という形に総合的に現れることになる。IMFは来月に発表する最新の『世界経済見通し』の中で、グローバル経済成長率の予測を引き下げ調整するだろう」と指摘した。

IMFの幹部は、「ロシア・ウクライナ紛争が世界各地の経済に与える影響は主に3つのルートを通じて伝わる。1つ目は食品やエネルギーなどのコモディティ価格上昇がインフレをさらに進行させ、ひいては個人所得を侵食していってニーズを押さえ込むこと。2つ目はロシア、ウクライナの近くに位置するエコノミーが貿易、サプライチェーン、送金の中断、そして難民の歴史的な大幅増加などの問題に直面すること。3つ目は企業の信頼感の低下と不確実性の高まりが資産価格に圧力を与え、金融環境の逼迫を招くとともに、国際資本が新興市場から流出するのを後押しする可能性があることだ」との見方を示した。

国連貿易開発会議(UNCTAD、本部はスイス・ジュネーブ)は現地時間の3月16日に発表した報告書の中で、ロシア・ウクライナ紛争が世界の貿易や発展に影響を与え、食品、燃料、化学肥料の価格上昇をもたらし、世界経済の成長率予測に大きな打撃を与え、アフリカ諸国と後発開発途上国の情勢にとりわけ深刻な懸念をもたらすだろうと指摘した。

経済協力開発機構(OECD)の最新の予測では、ロシア・ウクライナ紛争は今年のグローバル経済成長を少なくとも1ポイント低下させ、インフレ率を2.5ポイントを上昇させる可能性がある。ロシアとウクライナの経済規模が世界の国内総生産(GDP)に占める割合は2%しかないが、両国は各種原料の主要な生産国、輸出国であり、エネルギー市場とコモディティ市場に非常に大きな影響力を持つ。ロシア・ウクライナ地域のサプライへの懸念が大いに高まっていることから、石油、天然ガス、金属、そして化学肥料の生産に必要な化学品の価格が大幅に上昇した。これから国際原油価格は引き続き33%上昇し、天然ガス価格は85%上昇し、小麦価格は90%上昇するという。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年3月23日

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