中国東方航空MU5735便墜落事故の初期報告を公表

人民網日本語版 2022年04月21日14:50

今年3月21日に発生した中国東方航空MU5735便(昆明‐広州)墜落事故の初期報告がこのほど公開された。新華社が報じた。

報告によると、3月21日、東方航空雲南有限公司のボーイング737-800型B-1791号機は、雲南省昆明市から広東省広州市に向かっており、広州の管制空域を自動操縦で飛行していた際に、巡航高度8900メートルから急降下し、最終的に広西壮(チワン)族自治区梧州市藤健埌南鎮莫埌村付近に墜落した。機体は地面に激突後、バラバラになり、乗客123人、乗員9人全員が死亡した。

当該機は北京時間午後1時16分に、昆明長水空港の21番滑走路から離陸し、午後1時27分に巡航高度8900メートルまで上昇し、午後2時17分にはA599飛行経路に沿って広州の管制空域に入り、午後2時20分55秒に、広州エリアの管制レーダーが「指定の巡航高度から離脱」しているのを発見し警告を発したため、航空管制官が直ちにコックピット・クルーに呼びかけたが、応答はなかった。レーダーの最後の記録は午後2時21分40秒で、気圧高度3380メートル、時速1010キロ、機首方位 117度だった。その後、レーダーから消えた。

事故現場は広西チワン族自治区梧州市藤健埌南鎮莫埌村付近の南東から北西に向かう山岳地帯にあり、可視面積約45平方メートル、深さ2.7メートルの水の溜まった大きな穴が墜落地点と判断されている。位置は北緯23°19′25.52、東経111°06′44.30″。機体の残骸、破片は主に墜落地点0°から150°方位の範囲の地面や地中から発見された。

調査の結果、当該機のコックピット・クルーや客室乗務員、整備士などは必要な資格を有しており、耐空証明も有効だった。直近のA整備(31A)とC整備(3C)は、整備マニュアルで規定されている期間内に行われており、当日の飛行前点検でも故障の報告はされておらず、故障の保留もなかった。また、危険な貨物の積載報告もなく、ナビゲーションやモニタリング機器などにも異常は見られず、気象条件も良好だった。巡航高度から離脱する前、コックピット・クルーと管制当局との無線通信や管制指揮にも異常は見られなかった。最後の通話は午後2時16分だった。ただ、2つのブラックボックスは深刻な損傷を受けていることから、データの復元と分析作業は現在も続いているとした。

関連の問題をめぐって、民用航空局航空安全弁公室の李勇副室長が取材に答えた。

初期報告の主な内容は?

「3月21日に起きた中国東方航空MU5735便墜落事故の初期報告」には主に、事故の経緯やコックピット・クルーや客室乗務員、耐空性、整備、残骸の分布などの実際の情報が含まれている。

30日以内に、輸送航空事故の原因分析を終わらせるのはほぼ不可能であるため、初期報告には通常、原因の分析や結論は含まれていない。今回の事故の調査は数多くの困難に直面しており、現在取得できる証拠は限られている。そのため、初期報告の主な内容は現段階で把握できている基本的な事実や情報に基づいており、国際ルールに沿ったやり方となっている。

今後の調査計画は?

今後、技術調査グループは関連のプロセスに基づいて、残骸の識別や分類、検査、飛行データの分析、必要な実験、検証といった作業を一歩踏み込んで展開して、事故原因を科学的、かつ慎重に究明していくことになる。

航空機の事故調査というのは、複雑で、系統的に進められるもので、航空機の耐空性、パイロットの操作、コックピット資源管理、気象環境、管制指揮といった多方面に対して全面的に、踏み込んだ調査が行われ、必要に応じて大量の実験や検証も行われることになる。

歴史的に見ても、航空機の事故調査には往々にして非常に長い時間が必要とされ、世界の輸送航空機の事故調査には通常2年以上がかけられており、複雑な事故調査の場合、その所要時間はさらに長くなる。例えば、2009年に起きたエールフランス447便墜落事故の最終報告が発表されるまでには3年かかった。中国の河南航空8387便が目的地の伊春空港への着陸に失敗した事故の調査も約2年かかった。

客観的に見ると数多くの困難に直面しているものの、「科学的、かつ慎重に実際の状況に基づいて真実を求める」という原則に終始沿って、歴史に対して責任を負うという姿勢を保ち、いかなる疑問点も残さないように、できるだけ早く事故の原因を究明し、歴史の検証に耐え得る調査の結論を導き出したい。調査に新たな重要な進展があり次第、社会に向けて発表する。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年4月21日  

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