中国東方航空の旅客機MU5735便が今月21日に墜落した事故で、中国国家緊急対応指揮部は26日夜、同機に乗っていた乗客・乗員全員の死亡を確認した。27日午後、中国東方航空集団有限公司宣伝部の劉暁東部長は記者会見で、「当社はすでに損害賠償の手続きを始めている」と述べた。中国新聞網が伝えた。
飛行機事故の損害賠償は通常、航空会社が責任を負う部分と保険会社が責任を負う部分の2つからなる。
2006年に発表された「国内航空輸送事業者賠償責任限度額規定」によると、乗客1人への損害賠償の上限は40万元(1元は約19.3円)、乗客1人の携行品への損害賠償の上限は3千元、旅客が預けた荷物および輸送貨物への損害賠償の上限は1キログラムにつき100元となっている。
しかし実際の損害賠償の支払いはこの限度額をとっくに超えていた。対外経済貿易大学保険学院の王国軍教授は、「中国では以前は乗客に対する損害保険の支払金額が諸外国よりも低かったが、ここ数年で差が縮まっている」と述べた。
劉氏は、「国の関連する法律・法規に基づき、ご遺族の合理的な訴求を十分に尊重し、ご遺族と詳細を具体的に話し合って損害賠償プランを制定し、統一的な損害賠償支払いの基準を決定する」と述べた。
王氏は、「事故に遭った乗客に対する航空会社の損害賠償は強制的なものであり、賠償金の一部は航空会社が保険に加入している保険会社から支払われる。この保険とは業界でよく言われる『航空保険』のことだ」と指摘した。
航空保険だけではない。ある大手保険会社の関係者は、「乗客が総合傷害保険や飛行機の事故を補償する保険に入っていた場合は、規定の賠償金額に基づいて賠償金が支払われる。一般的には死亡保障を含む保険に入っていた場合、例えば死亡保障がある重大疾病保障保険に加入していた場合も、損害賠償を請求できる。乗客が死亡保障のある複数の保険に加入していた場合、損害賠償の条件に合致すれば、重複して賠償金を受け取れる」という。
生命保険会社の関係責任者は、「航空機事故の発生率は極めて小さいが、発生すると非常に高額の損害賠償金を支払うことになる。保険業界全体で、死亡保障額だけで億元クラスに達するかもしれない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年3月28日