中国で建設が最も困難な高速鉄道が開通 橋とトンネルの割合が98%に上る区間も

人民網日本語版 2022年06月21日14:18

重慶市奉節梅渓河大橋を走行する鄭渝高速鉄道の列車。(撮影・舒鵬)

河南省鄭州市と重慶市を結ぶ鄭渝高速鉄道の襄陽東〜万州北区間が20日に完成し、開通した。これは鄭渝高速鉄道の全線開通・運営を意味する。

中国の地形が第3段階から第2段階へと急激に移行する地域に位置する同区間は、世界的に地質条件が最も複雑な地域の一つだ。同路線は南襄盆地、大巴山山脈、四川盆地の3種の地形を通過し、漢江、神農渓、大寧河などの多くの長江1級支流を横断する上、地表では、長江の本流と支流が山々を切り裂き、長江三峡や大小さまざまな峡谷を刻んでいる。地中では石灰岩が億万年に及ぶ溶解により、さまざまな形の洞窟を形成している。

同区間の橋とトンネルが占める割合は97%にのぼる。うち万州〜巫山区間は全国的にも珍しく、橋が計32基設置され、線路総延長の5.9%を占める。トンネルの数が27.5本で、線路総延長の92.3%を占める。橋とトンネルの総延長は180.355キロメートルで、その区間に占める割合は98.34%にも達する。乗客にとって、移動中の92%超がトンネル内ということになる。トンネル内の通過にかかる時間が大半を占める列車は都市部の地下鉄のようだ。

橋とトンネルが占める割合が98%とは何を意味するのだろうか。鄭渝高速鉄道の副全体設計責任者の尹志斌氏によると、これは100キロメートルの高速鉄道線路のうち路盤が2キロメートルしかないということだ。同区間の建設があまりにも難し過ぎるため、その鉄道の調査から完成まで12年を要した。工期は6年にも及んだ。

鄭渝高速鉄道は開通後、中国の「8縦8横」高速鉄道網の重要な構成部分になる。開通前、重慶から北京まで北上する鉄道の移動時間は片道で最短11時間20分だったが、鄭渝高速鉄道の全線運行により北京から重慶までの移動時間は片道で最短6時間46分になる。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年6月21日

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