北京豊台駅(画像提供は中鉄建工集団有限公司)
アジア最大の鉄道ターミナル駅で、中国首都の重要鉄道ポータルターミナルでもある北京豊台駅が20日、正式に開通し営業を開始した。科技日報が伝えた。
北京豊台駅の建築面積は40万平方メートルで、構内の規模は17ホーム・32線路。一時間当たり最大で1万4000人が同時に待合ができ、32の発着線路が設置されている。同駅はアジア最大の鉄道ターミナル駅であり、中国初の在来線・高速2層構造の大型の近代化した駅でもある。
このアジア最大の鉄道ターミナルの設計と建設にはどのようなイノベーションがあるのだろうか。
■最上階は高速鉄道、地上は在来線
北京豊台駅の設計の最大の特徴は、「最上階は高速鉄道、地上は在来線、地下は地下鉄」という立体交通モデルの採用だ。中国鉄路設計集団有限公司豊台駅プロジェクトチーフエンジニアの馬輝氏は、「この2層構造の設計は新しい駅の形であり、旅客のシームレスな都市交通乗り換えに便宜をもたらしている」と述べた。
■自然光源を取り込むサンチューブ技術
駅構内は自然の光源を十分に活用し、天井部分の透光帯が駅全体を明るくしている。待合ホールでも、自然光源が上層階プラットフォームの数多くの照明から降り注いでいる。これは設計におけるもう一つのイノベーションであるサンチューブ技術だ。すなわちデュアルモード電気不要の照明システム平板式採光装置のことだ。
馬氏によると、設計チームは最上階の地面に特製「チューブ」を採用し、自然光である太陽光を待合ホールに取り込んでいる。明け方から夕方まで、さらには曇りや雨の日も屋内に取り込まれる光は十分だ。200本余りのチューブが高さ10メートルの待合ホールに自然光の照明を提供している。この技術の導入による全体的な省エネ効果は10%以上に達し、毎年約95万kWhの電気を節約でき、炭素排出量を900トン余り削減できる。
北京豊台駅(画像提供は中鉄建工集団有限公司)
■スマート建設で駅がスマート、安全、高効率に
最上階に高速列車を走らせる場合、耐力梁に対する要求が極めて高い。中鉄建工集団有限公司は硬化鋼構造を中心とするメイン構造を採用した。同集団北京豊台駅プロジェクト部チーフエンジニアの許慧氏は、「建設はBIM、クラウドコンピューティング、モバイルインターネット、IoT(モノのインターネット)などの先端情報技術とスマート設備を採用することで、プロジェクト建設をよりスマート、より安全、より高効率にしている」と述べた。
北京豊台駅にはさらにスマート駅ブレーンがある。北斗統一時空基準に基づくモニタリングシステムを設置しており、自然環境の状況及びガラスカーテンウォール、錆びやすく腐食しやすい鋼製部材などの構造の状態をリアルタイムで、連続的、持続的にモニタリングする。駅の旅客輸送管理、旅客サービス、旅客輸送設備、緊急指揮などの業務を深く融合させている。これにはスマート管理サービス、データ分析及びAIサービス、旅客輸送管理及び駅緊急指揮、スマート音声・動画分析などが含まれる。これにより、駅のスマートな運営と管理を実現している。
豊台駅は1895年に建設されたもので、2018年9月に改修・拡張工事が行われた。拡張後の北京豊台駅は京広高速鉄道、京滬鉄道、京九在来鉄道など複数路線の起点・終点業務を担い、運営開始の初期には旅客列車120本を運行する。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年6月20日