中央アフリカ共和国の首都バンギから西約9キロの位置にあるビンボは、土地が平坦で、日照量が非常に多い。どこまでも生い茂る草木の中に、約16万平方メートルの四角形のスペースが設けられており、そこには長さ2メートル、幅1メートルの太陽光パネル約3万枚が整然と並び、ダークブルーの巨大な鏡のように光を反射させている。新華社が報じた。
その「巨大な鏡」がさんさんと降り注ぐ太陽の光を電気に変え、コンバイナーボックスやパワーコンディショナー、送電網などの施設を経由して、バンギの工場や学校、住宅など電気を必要とする数多くの施設に途切れることなく供給している。
これは中央アフリカ共和国初の太陽光発電所であるサカイ太陽光発電所で、「中国能源建設集団天津電力建設有限公司」(以下、「中国能建天津電建」)が建設した。その発電容量は15メガワット(MW)で、バンギの電力不足を大幅に緩和し、現地の社会と経済発展を促進している。
2018年9月に北京で開催された中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)で、中国と中央アフリカ共和国は、中国が太陽光発電所建設を支援するためのコンセンサスを築いた。そして、2021年4月に、「中国能建天津電建」の作業員が中央アフリカ共和国に赴き、建設を開始。今年6月15日にグリッド接続が完了し、送電が始まった。同発電所は現在、バンギの電力需要の約30%を満たしている。
バンギで暮らすある男性は、借家で二人の子供を育てており、取材に対して、「太陽光発電所ができてから、冷蔵庫が使えるようになったので、暑い日には冷たい水を飲むことができる。子供も夜に勉強ができるようになったので、成績も良くなってほしい」と喜ぶ。
太陽光発電所の張志国プロジェクトマネージャーによると、バンギの電力は現在、主に、ディーゼル発電や水力発電に頼っているものの、軽油はコストが高く、水力発電の発展がなかなか進まない。一方、太陽光発電所は建設周期が短く、環境にやさしく、発電容量も多いので、現地の電力不足問題を解決する「特効薬」となっている。また、建設の過程では、約700人の雇用を創出し、現地の作業員が各種技術を習得したという。
太陽光発電所で配線工事を担当した作業員は、「バンギの就業率はとても低く、周りにも失業中の人がたくさんいる。太陽光発電所の建設があったので、僕は家族を養い、病院に行く費用を稼ぐことができたほか、配線技術を習得することもできた」と喜ぶ。
張プロジェクトマネージャーは、バンギが発展するにつれて、電力需要も高まると予想しており、「ブースターステーション施設の横に、必要に応じて、新しい送電網を設置できるように、約3000平方メートルの間隔を空けている」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月12日