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「トヨタがこれまでの開発ペースと開発体制を続けるなら、永遠にフォロワーにとどまるだろう」。トヨタ中国法人のマーケティング・広報宣伝部の徐一鳴部長はこのように述べた上で、「トヨタが新エネルギー自動車の分野でテスラと自動車製造の新勢力の経験を全面的に踏襲すれば、必ず破滅への道になる」と懸念を示した。中国新聞網が伝えた。
しかし、自動車業界の競争がますます激しくなったことを背景に、世界最大の自動車メーカーの1つであるトヨタは、中国市場で新エネ車をめぐる挑戦に直面している。
トヨタがこのほど発表した報告によると、22年のグループ全体の世界販売台数は約1048万3千台で、前年同期比0.1%減と微減した。同時に、中国での新車販売台数も10年ぶりのマイナスになった。23年に入ると、中国での販売量減少の流れがますます明らかになった。乗用車市場情報連席会のまとめたデータでは、今年1月のトヨタの中国での新車販売台数は、同23.5%減の11万3800台だった。
トヨタの中国販売台数は減少したが、中国全体では自動車販売台数が引き続き増加傾向を保ち、新エネ車が従来のガソリン車の市場シェアを急速に奪っている。
同連席会の崔東樹事務局長は、「現在は中国独自開発の電気自動車(EV)がガソリン車に取って代わるという特徴が明らかで、競争の構造は中国独自ブランドが主導する新たなトレンドへ移行しつつある」と述べた。
だが、トヨタは「バッテリー電気自動車(BEV)をめぐるモデル転換のプロセスが遅い」と見られている。
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実際には、トヨタは早くから新エネルギーへのモデル転換に取り組んできたが、方向性としてはハイブリッド車(HV)と燃料電池自動車(FCV)に焦点を当て続け、BEV市場に全面的に進出していない。
市場の変化に直面し、トヨタも調整を進めている。まもなく社長に就任する佐藤恒治氏は就任発表後に初めて公開の場に姿を現した際、トヨタのEVシフトの方針を明らかにした。
徐氏は、「トヨタの社長が4月1日に交代すると、取締役会の承認を受けた後、トヨタ自動車は世界へスマート化、EV化、カーボンニュートラルのより詳細な新措置を発表する予定だ。また今年の上海モーターショーの会期中、トヨタは中国の協力パートナー2社とともに新たなスマート化・EV化戦略を発表する予定だ。
現在、中国の新エネ車市場では非常に激しい競争が展開されている。従来の自動車メーカーは戦略のモデル転換を達成できる余地がますます縮小し、自動車製造の新勢力に今、急速に市場シェアを奪われている。徐氏は、「トヨタのような『大型船』は変わろうとする意識があり、危機を現実的な挑戦に転化させるという発想さえあれば、必ずやそれにふさわしい変化と行動をスピーディに打ち出すことができるだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年2月27日