写真提供・新華社
4月16日、北京市、上海市、武漢市など複数の地域でマラソン大会のスタートを告げるピストルが鳴り響いた。先週末の15、16日の2日間に、中国では30近くのマラソンイベントが行われた。複数の都市でマラソンイベントの再開が発表されると同時に、マラソン経済も日増しに回復している。
マラソン大会が活発に
「中国陸上競技協会ロードレース業務報告2023」によると、登録済みの今年上半期に行われるロードレース大会は133回ある。世界を見ると、今年はワールドアスレティックス(WA)の公認を受けたマラソン大会が238回あり、そのうち中国での大会が67回で国別の世界一だ。
経済学の「マラソンサイクル」は、一般的に「一人当たり国内総生産(GDP)が5000ドル(1ドルは約134.4円)を超えた国は、マラソンを代表とするロードレース大会がスポーツ消費の黄金期を迎える」ということを指している。
11年以降、中国のマラソン大会は急速な発展期に入り、全国各地でロードレースやクロスカントリーレースが爆発的な成長を遂げた。まさにこの年に、中国の一人当たりGDPは5000ドルを突破した。
高い資金誘致力
北京大学国家スポーツ産業研究拠点の郭彬副事務局長は、「最近、マラソン大会が絶えず増加して、現在の競技・パフォーマンスイベントとスポーツ消費市場を活性化しただけでなく、開催都市に新たな経済成長源をもたらし、また他の産業・分野の発展も喚起した」との見方を示した。
ほかの都市に行って大会に参加するのは、マラソンランナーにとっては当たり前のことだ。武漢マラソンの包波・イベントディレクターは、「武漢マラソンでは、市内からの参加者の割合が35-40%に上り、各地からの参加者は約60%だ。これはつまり、参加者は参加費を払うだけでなく、大会開催都市で消費もし、その都市に間接的な経済発展をもたらすということだ」と説明した。
同報告によれば、20年の中国のマラソンランナーの平均消費額は1万1千元(1元は約19.5円)に上り、ここには日常的なトレーニングギア、ウェア、栄養食品などの費用が含まれる。関連の旅行について見ると、ランナーの50%が居住地以外での大会に参加した経験があり、過去1年間の関連支出の平均は4598.84元だった。ほかの都市で大会に参加したランナーは、「現地のグルメや特産を味わった」とした人が71%に上り、「現地で観光を楽しんだ」とした人が64%だった。
マラソン大会の開催が開催都市にもたらす経済効果は数億元に上り、ますます多くの地方政府がマラソン大会を「都市の風物詩」にしようとしている。厦門(アモイ)マラソンを例にすると、「2021年厦門市スポーツ産業発展状況調査報告」によれば、開催がスタートしてから延べ72万人が参加し、もたらされた総合的な経済効果は44億9千万元に達し、ブランド価値は22億9300万元になったという。
マーケティングの激しい競争
マラソン大会は大手ブランドのスポーツ関連のマーケティングにとって非常に重要なものでもある。
今年3月に行われた無錫マラソン2023では、スポーツ用品大手の李寧のレーシングシューズを履いたイノック・オンチャリ選手が2時間7分19秒の大会新記録で男子フルマラソンのチャンピオンになり、「安踏C10 PRO」を履いたフィリモン・キプチュンバ選手が2時間8分4秒の成績で厦門マラソン2023を制した。ランニングシューズメーカーの特歩は今回の北京ハーフマラソンの男女のチャンピオンが使用し、男子の上位3選手はいずれも「160X 3.0 Pro」を履いていた。
スポーツ用品ブランドの競争が激化しただけでなく、多くの食品メーカーや飲料メーカーもマラソン大会に関わるようになった。たとえば今年の武漢マラソンには20を超える企業がスポンサーとして関わった。
金融機関もマラソン関連イベントを積極的に支援している。華夏基金は北京ハーフマラソン、上海浦東発展銀行は上海ハーフマラソン、中国銀行は23年の武漢マラソンをそれぞれ協賛した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年4月18日