東京の繁華街で探す「古き良き日本」
中国メディアが見る日本 非常に多くの人にとって、東京は「アバンギャルド」「ファッショナブル」、このような形容詞と密接につながっており、無限の魅力に満ちた誘惑の都市に映る。現代の東京は依然、日進月歩の驚異的スピードで変化を続けている。古き良き東京の無数の建築物は姿を消したが、幸いにも、東京の繁華街の艶やかなネオンの下、「古き良き日本」の味わいを留める場所がある。新宿ゴールデン街だ。光明網が伝えた。
新宿は東京のみならず日本全国でも最も有名な商業エリアだが、東京メトロ新宿三丁目駅からほど近く、新宿区役所と花園神社の間のサッカー場ほどの一帯は、周囲の高層ビル群とは鮮明な対照をみせている。6本の狭い路地が走り、この6本の路地はさらに一人しか通ることができない路地でつながっている。現在の東京ではゴールデン街だけで、日本の「経済奇跡」以前の建築を見ることができるという。
資料によると20世紀前半、ここは名高い「青線」だった。1958年に日本政府は売春を禁止、ゴールデン街の治安は徐々に好転した。バブル期になると、日本の犯罪組織が地上げのため東京都内の多くの建築に放火・全焼させることがあったが、ゴールデン街の住民は一致団結して夜間パトロールを展開、古き良き日本の風情が遺る2階建て建築は難を逃れ、現在に至っている。時代を感じさせる建築以外にも、ゴールデン街のもう一つの特徴は「バー文化」だ。200軒以上のバーがひしめき、多くのバーは客10人も入れば満席となる。
日本政府観光局(JNTO)北京事務所から提供された資料によると、ゴールデン街の「バー文化」とは、作家、詩人、映画監督ら文化人が集まり、酒を交わしながら徹夜で議論したことに端を発する。多くのバーに半世紀以上の歴史がある。
ゴールデン街ではテーマ性のあるバーに最も人気がある。ジャズからブルース、ロックからフラメンコまで、多様なテーマのバーが軒を連ねている。たとえば「ナナ」というバーでは、スペインのフラメンコ愛好家が集う。また「クレマスター」と名付けられたバーの2階では、オーナーによる精神分析ゼミが催される。「バー・プラスチック・モデル」はYMOのテクノ・ポップなど、日本の最も輝いた80年代の音楽や本に満ちている。
実際には、ゴールデン街のように「古き良き日本」の風情を残す場所は日本各地に無数にある。JNTO北京事務所の伊地知英己所長によると、鹿児島も「古き良き日本」の味わいを感じる地方だ。高層ビル群がなく、日本の古典文化、建築のいずれもが大切に保存されている。そして何より、その温暖な土地柄が現地の人々の明るい性格を生み出している。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年10月21日