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日本人ボランティア:作業療法士としての中国での活動

日本人ボランティア:作業療法士としての中国での活動
吉田太樹さん

 2012年7月から中国江蘇省無錫市の病院で作業療法士として活動している吉田太樹です。これから中国の高齢化の現状や医療事情、またそれらに対して我々日本の療法士の協力の可能性などを紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 中国の高齢化とリハビリ医療概要

 現在の日本の総人口は約1億3000万人で、そのうちの約3000万人が高齢者です。日本の作業療法士の数は約6万人で、ここ数年で年によってばらつきはあるものの毎年4000~5000人の作業療法士が誕生しています。理学療法士の数は現在では10万人を超え、ここ数年では毎年7000~8000人の理学療法士が誕生しています。つまり、少なくとも16万人の療法士がいて、毎年1万人以上の新しい療法士が誕生しているということになります。

 中国の現状はというと、総人口は約13億5千万人で世界第1位です。中国では一人っ子政策も大きく影響し、日本と同様に高齢化が急激に進み社会問題となっています。約13億5000万人の総人口のうち約1億9000万人が高齢者です。2013年には2億人を突破するとみられています。つまり、日本の総人口の約1.5倍の高齢者がいるということです。中国の総合治療師(日本でいう作業療法士および理学療法士)の数は約2万人で、毎年約2000人の総合治療師が新たに誕生しています。

 そのような莫大な数の高齢者がいる中国ですからリハビリを必要としている高齢者の数も莫大です。しかし、日々活動を行っていると療法士の量・質ともに不足しているように感じています。私が活動をしている無錫市は上海から西に100kmほどのところにある街で、日系企業も多数進出していて、街中には大きな商業施設がたくさんあり、経済的には比較的発展している地域といえます。しかし、リハビリテーション医療については未発展な部分が多いと感じています。

 中国の医療市場と日本の療法士の可能性

 中国は近年目覚しい経済発展を遂げており2010年には日本のGDPを抜き世界第2の国家となりました。2012年4~6月には実質GDP成長率が3年ぶりに8%を下回り経済の成長は減速傾向にありますが、現在の高齢化の状況を考えると今後も中国国内の医療市場は成長していくと思われます。2012年末には中国のトップが胡錦濤氏から習近平氏に代わり、その就任演説とも言えるスピーチで「わが人民は生活を心から愛し、より良い教育、より満足いく収入、より頼れる社会保障、より高水準の医療衛生サービス、より快適な住環境、より美しい環境を待ち望み、子供たちがよりよく成長し、より良い生活を得られることを待ち望んでいる。」と述べ、医療衛生サービスの向上の必要性を訴える内容も含まれていました。

 今現在も医療機器の会社や医薬品会社などの日系企業が多数中国に参入してきています。高齢化先進国である日本では高齢社会を対象としたシニアビジネスに対して多くの企業が他国にはないノウハウを有しているため、需要を満たす商品や付加価値の高いサービスを提供できるのではないかと思われます。また、リハビリテーション医療の分野でも、日本の療法士の技術や講習会開催のノウハウ、一般の方に向けてのリハビリ指導などの分野で我々日本の療法士も活躍できるのではないかと考えています。

 今後は中国の高齢化の現状や医療事情を考えつつ、我々日本の療法士がその中国に対してどのように協力できるのか、中国というフィールドでどのように活動の可能性を広げていけそうかを考えていきたいと思います。今後もよろしくお願いいたします。
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 「人民網日本語版」2013年5月8日

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