朝鮮半島情勢の緊張激化 国際社会が注視
■朝鮮:在韓外国人に退避を呼びかけ
朝鮮中央通信は9日、「米韓の反朝敵対行為と朝鮮侵略戦争挑発策動のために朝鮮半島情勢は『熱核戦争』前夜にある。朝鮮半島でひとたび戦争の導火線に火がつけば、全面戦争となり、われわれは無慈悲な報復を行う。戦争が勃発した場合、韓国にいる外国人に被害が及ぶことをわれわれは望まない。全ての在韓外国機関、企業、観光客を含む外国人はあらかじめ退避措置を講じるべきだ」と警告する朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官談話を報じた。
同報道官は「現在の事態は朝鮮半島さらにはアジア太平洋地域の平和と安全に深刻な影響をもたらす。民族の尊厳と国家の主権を守り侵略者の威嚇を受けないために、われわれはすでに軍事的対応措置を宣言した」と述べた。
■韓国:エスカレートする朝鮮の挑発に毅然たる対応
こうした朝鮮の発表について韓国メディアは、朝鮮半島情勢の緊張を激化させるための心理作戦の1つとの認識で一致している。人民日報記者はソウルの有名な観光スポットの明洞で、中国や日本からの観光客の姿を依然多く目にした。朝鮮のこの談話について質問すると、観光客の大部分は「朝鮮半島情勢は最近確かに緊張が高まっているが、戦争が勃発するとは余り信じていない」との考えだった。
だが韓国民の一部は不安を感じ始めている。韓国紙・世界日報は9日、延坪島の住民が今週中に仁川市への退避計画を正式に政府に提出すると報じた。
朝鮮側が8日、開城工業団地の操業を停止し、朝鮮側労働者全員を引き揚げると宣言したことについて、韓国の朴槿恵大統領は9日の閣議で「予測可能性と信頼があることが投資の重要な前提だ。開城工業団地の操業停止は国際ルール違反だ。今後はもう、朝鮮への投資を望む国や企業はあり得ない」と指摘。「朝鮮が危機をつくり出せば、韓国は妥協し、援助する。このような悪循環は停止しなければならない。このため韓国はエスカレートする朝鮮の挑発に毅然たる対応を取らなければならない。民族全体の未来のために、朝鮮は誤った行動を止め、正しい選択をすべきだ」と強調した。