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2010年11月14日、中国の習近平国家副主席(当時)はシンガポールでリー・クアンユー・シンガポール内閣顧問と会見した。 |
“シンガポールの国父”とたたえられるシンガポールの初代首相、リー・クアンユー(李光燿)氏は6日、総統府で新著書『李光燿観天下』(リー・クアンユー、世界を語る)を発表した。シンガポール紙「聯合早報」の7日の報道によると、400ページに及ぶこの英語の書物は11章からなり、世界の大国と国際情勢に対するリー氏の分析と見解が主に収録されている。このうち6章はそれぞれ、中国や米国、欧洲、東南アジア、中東などに割かれている。「環球時報」が伝えた。
中国に言及した章の中で、リー・クアンユー氏は、中国は勃興と同時に、権力の中央への集中を依然として堅持していくとの見方を示した。リー氏は、「中国の内部における試練は要となる時期を迎えており、突発的な外部からの事件も大きな影響を与えている」と指摘しながらも、中国の習近平国家主席は問題を熟慮し冷静にこれに対応できると信じているとし、「彼は実力を持っており、私は、彼が党の支持を得ることができると信じている」と述べた。リー氏はさらに、2007年末に当時中共中央政治局常務委員だった習近平氏に面会した際、その度量の広さが深く印象に残ったとし、「マンデラ級」の人物だと習氏をたたえた。
リー氏によると、中国の繁栄は、中国企業による投資など、国際社会に多くの利益をもたらしている。だが中国の隣国は、「眠りから覚めた巨人」の外交政策がますます強硬となり、アジア太平洋における米国の“親分”的な地位に厳しい挑戦を投げかけていると感じ始めている。中国の「平和的に勃興し、永遠に覇を唱えない」という立場に対しては、リー氏は書中で、「一方には、中国は静かに強国となり、影響力は拡大するが、他国を脅かすことはしないという見方がある。もう一方には、中国は力を見せつけ、すべての人にとっての脅威となるという見方がある」「私は、彼らが前者を選択すると認識しているが、同時に力を見せつけていくことにもなると考えている」とした。
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