習近平氏は“マンデラ級” リー・クアンユー氏が評価 (2)
リー氏はさらに、トウ小平氏が中国は「韜光養晦」(能力を隠して実力を蓄える)の道を行くべきだとしたのは賢明であったとこれを評価し、「中国人は、世界の他の強国に追いつくにはまだ三四十年は必要だということを知っている。彼らは、現状を維持し、既存の強国を怒らせず、すべての国と友好な関係を作りさえすれば、中国は必ずますます強くなっていくということをわかっている」とした。中国がこうした態度を取ることは、国内の問題を解決し、経済発展を継続する余裕をもたらすものであり、「中国が一旦戦争に巻き込まれれば、内乱や衝突などが発生し、秩序の混乱につながり、再度の低迷に陥ることになり、そこから抜け出すには長期を要する」。さらに、中国人の理性が試される問題は、「我々はこんなに長く待って、先進国に追いつく機会をやっと得た。一時的な焦りによって、漸進的な勃興を動揺させてもいいのか」ということであるとした。
リー氏は書中で、日本や米国などに対しても見方を示した。日本経済が長期的に低迷している最大の原因は「人口急減」であり、移民を受け入れない日本の未来は「悲観的」であるとした。リー氏はさらに、出生率の低さという点ではシンガポールも同じ問題を抱えているが、「日本との決定的な差異は、我々が移民を受け入れているということだ」と指摘した。米国の未来については、革新能力があるため、米国の経済力が衰退することはないとした。リー氏は、米国と中国の間にはイデオロギー面での受け入れられないほどの矛盾や衝突はないとした上で、「中国側は、米国と友好関係を維持し、中国製品の米国市場へのアクセスを確保し、投資の参加や技術の取得を続ける必要がある。米国側にとっても、中国を自らの長期的な敵とする必然性はない」と指摘した。(編集MA)
「人民網日本語版」2013年8月9日