2014年1月24日  
 

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中国人富豪 3割超が海外移住

専門家:「優秀な海外人材獲得のため永住権発給条件を緩和すべき」

 2014年01月24日14:11
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 中国グローバル化研究センター(Center for China & Globalization)と中国社会科学院が21日に共同で発表した調査報告によると、2011年、個人の投資可能資産が600万元(約1億円)を上回る中国人が中国国内に保有する資産の総額は約33兆元(約565兆円)に達し、このうち同年GDPの3%にあたる2兆8千億元(約48兆円)が海外に流出した。また、国内の経済研究機関・胡潤(ルパート・フーゲワーフ)研究院の報告からも、中国のミリオネアの64%が、すでに海外に移住、あるいは財産とともに海外移住を計画しており、移住先として最も人気が高い国は米国であることが明らかになった。人民網が報じた。

 「中国海外移住者報告(2014)」の編集主幹を務めたCCGの王輝耀・代表は、中国人移民について、「国際市場に優れた投資対象があれば、中国が海外資金を吸収するのと同じように、中国の資金が海外に流出することは、ごく正常な現象といえる。だが、現在の中国に見られる『移住者赤字(海外に出る中国人が中国に移り住む外国人よりはるかに多いアンバランスな状況)』という現象は、決して正常な傾向ではない」と指摘した。

 「中国海外移住者報告(2014)」の統計データによると、中国政府が受け入れる国費留学生の割合は、世界の平均水準よりはるかに低い。2011年、中国に来た外国人留学生総数は6万1211人だったが、中国政府が受け入れた国費留学生はわずか100人前後、全体の0.2%だけだった。また、中国の大学を卒業した留学生は、中国で就職先を見つけなければ、中国で就労するための在留許可証の申請資格が得られないことから、同年に国内大学を卒業した留学生に対して中国政府が発給した就労ビザ件数は「ゼロ」だった。同報告の統計データによると、2007年、日本は、日本国内の大学を卒業した外国人留学生1万262人に就労ビザを発給、このうち7539人が中国人留学生だった。

 CCGの王代表はこのような状況について、次の通り語った。

 「中国人富裕層のうち30%が海外に移住しているが、海外の富裕層で中国に移住する計画を持っている人は、一体どれだけいるのだろうか?現存するデータでは、1%にも満たず、限りなくゼロに近い。この数値は、優秀な海外人材を導入する面で、中国はまだまだ立ち遅れているという事実を物語っている。国際都市として発展し続けている北京においても、北京に住む外国人の割合は0.4%にとどまっており、居住人口データならば0.2%止まりだ。国際的な大都市である上海を見ても、外国人人口は、いまだに1949年の建国前の人口より少ない。海外人材の導入は、中国が早急に解決すべき重要課題となっている。中国がすべきことは、国内人材の育成と海外流出を食い止めるだけにとどまらない。起業家、投資家、芸術家などの各種人材を海外から導入するための措置も、重視・強化し続ける必要がある」

 「中国の資産2兆8千億元と富裕層3割が海外に流出――。これは、我々に注意を促す表面的な現象にすぎない。我々が把握すべき本質的な問題は、『移住者の出入り』が、一方通行ではなく両方向にスムーズに流れるような状況を作り出さなければならない点にある。世界では、正常な人口流動が見られる地域もあるが、『出て行くだけで入って来ない』という現象は決して正常とはいえない。海外に移住し、国際的人材が世界規模で動くことは、すでに常態化しており、グローバル化現象となっている。どの国家も『人材獲得競争』を繰り広げている。例えば、米国や英国などの先進国は、このような人口流動を利用し、『移住者ボーナス』を獲得している。中国がこの数十年間利用してきた国民の人口ボーナスは、経済発展に極めて大きな役割を果たした。だが、これからの数十年間は、外国人の人口ボーナスや優秀人材ボーナスを有効活用できるか否かが、中国が国際的発展を遂げるために対処すべき重要課題となるだろう」

 「中国海外移住者報告(2014)」によると、国際人材の流動は、発展途上国から先進国に流れるという特徴を呈しており、世界中で人材が流動する状況のもと、中国政府の現行の人材政策は、もはや国際人材が中国に流れる上でのニーズを満たすことはできなくなっている。中国政府は、出入国制度をより簡便化し、「中国版グリーンカード(永住権)」の発給条件を緩和し、中国国内における外国人を対象とした社会保障制度を規範化し、さらに多くの留学生を誘致し、人材流動の足かせとなる障壁を取り除き、よりハイレベルの外国人を中国に誘致するため、急ぎ各種措置を講じる必要がある。(編集KM)

 「人民網日本語版」2014年1月24日

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