中国各地で相次ぐ豪雨被害
中国各地では今年の増水期に入って以来、豪雨被害が相次いでいる。一部の河川では「保証水位(堤防が決壊しないことが保証されている水位)」を超えたほか、一部の都市では冠水被害も発生した。また一部の地方では山津波、土石流、地滑りといった災害が発生し、深刻な人的被害や財産の損失をもたらした。新華網が伝えた。
国家洪水防止・ 干ばつ対策総指揮部弁公室の統計によると、今年に入り、累計30の省・自治区が洪水被害に見舞われ、被災者は4770万人、災害による死亡者は337人、行方不明者は213人、倒壊した家屋数は15万棟に達した。災害による死亡の原因は、「土石流、地滑りよる土砂に巻き込まれた」が202人で、全体の6割を占めた。その他、「山津波に巻き込まれた」が78人、「建物の倒壊によるもの」が23人、「溺死など」が34人だった。
今年、特に深刻だった豪雨被害は以下の通り。
5月上旬、湖南省で豪雨が続き、42万人が被災、7人が死亡した。14日以降にも、再び豪雨が湖南省を襲った。長沙市、湘潭市のくぼ地の一部では冠水が発生し、27万人が被災、1人が死亡した。同省の湘西土家族苗族(トゥチャ族ミャオ族)自治州、常徳市、懐化市、益陽市などが豪雨被害に見舞われた。
同時期、江西省でも豪雨により5つの設区市、22の県(市区)、172の郷鎮で計25万9千人が被災し、4149人が避難、倒壊した家屋数は172棟に上った。
6月30日、内蒙古(内モンゴル)鄂爾多斯(オルドス)市東勝区、達拉特旗(ダラト旗)南部、準格爾旗(ジュンガル旗)西部、杭錦旗(ハンギン旗)東部では豪雨、雹などを伴う強い対流の天気に見舞われた。被害が最も深刻だった東勝区では冠水が発生し、建築物の壁倒壊、平屋の浸水などが原因で8人が死亡した。また、東勝区と伊金霍洛旗(エジンホロ旗)の堺にある銅匠川が氾濫し、11人が死亡した。
7月に入り、豪雨災害は急増した。陝西省延安市では7日以降、広い範囲で豪雨となり、同地域では2002年以来降雨範囲が最大、降雨量が最多、降雨時間が最長の豪雨となった。この豪雨による死亡者は13人、行方不明者は4人、負傷者は15人に達した。
四川省では11日までに、15市・州の75県が豪雨・洪水に見舞われ、209万4千人が被災、30人余りが死亡し、行方不明者は160人あまりに上った。22万3千人が緊急避難している。この豪雨により、成都市中心部では深刻な冠水に見舞われ、地下トンネル8カ所のほか、路面40カ所が浸水した。成華区の方家河・鳳凰河・南支三渠の3本の河道では8カ所で溢水、16カ所で冠水が発生。武候区では家屋12棟が倒壊、1826人が緊急避難した。
広東省の大部分の地域では台風7号(SOULIK)の影響で15日以降、豪雨に見舞われた。局地的には特大の豪雨となり、梅州市、河源市、潮州市の100鎮が被害を受け、被災者は45万6900人、死亡者は3人、行方不明者は2人に達し、倒壊した家屋数は2072棟に達した。広州市では14日夜以降、2回の豪雨に見舞われ、冠水被害も発生している。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年7月22日