【第126回】経済補償の支給 (2)
--固定期間労働契約の協議一致解除 (2)これは経済補償の最低基準である。会社には従業員を辞めさせる理由、かつ有力な証拠を有しない限り、従業員が協議に応じないと考える。
二、経済補償の支給上限
労働法令には、経済補償の上限を定められていない。
上記経済補償の最低基準を超える場合、会社と従業員との意思自治が認められる。
しかし、会社が協議一致のために、従業員のすべての支払請求を認める必要がない。従業員と交渉する前に、経済補償の支給上限を設定する必要がある。
たとえば、現在の時点が2010年11月10日であり、従業員労働契約の開始日が2005年11月3日になり、2011年11月2日までに終了し、仮に2010年12月2日に協議一致で労働契約を解除した場合、経済補償の支給上限は、(1)11ヵ月月給+(2)3ヵ月月給になる。
経済補償の支給上限として、(1)11ヵ月月給を支給する理由は、仮に当該従業員の労働契約が2011年11月2日期限満了により終了する場合、当該従業員が併せて11ヵ月月給を得られる。また(2)3ヵ月の法定経済補償金を得られる(2011年11月2日に契約終了なので、2008年以前の勤続年数に基づき経済補償金を支払う必要がない。協議一致の場合と相違する)。