「新たな冷戦」の企て 安倍政権の「価値観外交」
--安倍政権の「価値観外交」の偽りのベールを剥ぐ(下) 安倍政権発足から半年余り。日本の外交活動はこれまでの政権よりも主導性、積極性が明らかだ。だがこれには、いわゆる「共有する価値観」を強調し、外交の場で必ず「自由、民主主義、人権」を口にするという注視すべき傾向がある。安倍政権は、まるで「自由、民主主義、人権」が日本の登録商標であり、日本と他国との関係における問題は本質的に価値観の争いであるとの印象を与えるべく力の限りを尽くしている。これは6年余り前の第1次安倍政権期に推し進めた「価値観外交」と全く同じだ。
安倍政権が愛して止まない「価値観外交」とは一体どんな代物なのか?
現代世界では世界の多極化と経済のグローバル化が急速に進行し、平和、発展、協力、ウィンウィンが後戻りの許されない時代の潮流となっている。国の大小や強弱を問わず世界各国の共通利益は増え、共同で対処する必要のある試練も増えている。当然ながら各国は相互尊重、互恵協力、共同発展を図るべきである。いかなる国家間の人為的障害や対立を引き起こす企みも、時代の潮流に逆行する。
安倍政権は明らかに時代の潮流に逆行し、いわゆる「価値観外交」を推し進めることで、一体化しつつある世界を再び分断しようと企んでいる。本質的に言って、いわゆる「価値観外交」は完全に冷戦思考の禍であり、その目的は冷戦時代のように世界の文明発展の多様性を抹殺し、イデオロギー、政治体制、社会制度上の異同を国家関係の親疎を決定する基準とし、世界を再び截然と対立する陣営に分断することにある。