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中国式接客:度が過ぎると却って逆効果

 1991年から2002年の間に、私は天津を4、5回訪問した。天津には友人が住んでいるのだが、彼らに会いに行く機会はあまりなかった。

 私は07年1月に退職した後、この友人??退職した医師の夫婦に会うため、天津をもう一度訪れたいと強く思うようになった。そして、最近になって、やっとその願いがかなった。
 
 私は前もって、「昼の12時ごろに天津に着き、その日は2人と一緒に過ごし、翌日は、2人の家を離れて、自分で行動するつもり」であることを伝えておいた。この意味は明解であるはずだ。

 私の計画では、翌日は一人で天津を見て回り、記事を書くための資料を集め、汽車で北京に戻るつもりだった。

 私が乗った最新式の高速鉄道(中国版新幹線)は、平均10分に1本出ており、きれいで、快適であることに驚かされた。車内では車輪、レールなどから出る雑音などは聞こえなかった。乗客はゆっくりと本を読んだり、iPodでゲームをしたりしている。そして28分後、列車がゆっくりと止まった。

 駅に到着すると、友人夫婦がホームで迎えてくれた。昼食は彼らの家で食べ、テーブルの上には海鮮料理5種類が並んでいた。私は、昼食時にワインは飲まないと言ったが、それでも、2人はワインを準備してくれた。

 午後、「周恩来・トウ(=登におおざと)穎超記念館」を訪れた。確かに、見る価値のある所だった。多くの観光客がバスでやって来ては、民族の英雄である周恩来とトウ穎超の像に花を捧げていた。

 私は、一緒に来てくれた友人に写真撮影を頼んだ。しかし、その後、頼むべきではなかったことに気付いた。すべて、ピントが合っていなかったのだ。

 夕食の時間になると、同夫婦は、感じのいい江南料理のレストランでもてなしてくれた。その後、午後7時半に帰宅し、テレビドラマを2時間見て、10時半に就寝した。私にとって、いつもより3時間遅い就寝だった。

 翌日、そそくさと朝食を済ませた。同夫婦は、出勤のピークが過ぎた8時に出発するのがいいと教えてくれた。私は、天津の路線バスはそれほど混雑しておらず、街全体がとても静かで、空も広いことに気付いた。これで、天津の人達が北京に来るのを嫌がる理由がやっと分かった。天津は、私の故郷・カナダのモントリオールを思い出させてくれた。地下鉄の駅には、イスがたくさん並べられ、待ち時間にはイスに座って15分ほど待つことさえできた。

 私は友人に、今日の予定が終わり駅に向かう前に、天津の名物菓子・大麻花を買うつもりであること、その前には、路線バスで古い建物が立ち並ぶ古文化街に行きたいことを伝えた。同通りは以前より長くなり、見所が増えたと聞いたからだ。

 すると友人は、「あなたは外人で、たくさんの人に目をつけられるから、私も一緒に行く」と言った。私は、「中国で22年も生活し、中国語もできるから、何も危ないことはない」と反論した。それでも、友人は、「私はあなたを最後まで世話しなければならない」と言って譲らない。その後、私は彼の助けを断り、気に入ったキャスター付きバッグを、70%引きにまで値切って購入した。友人は、「値切るの上手だね!」と感心していたものの、それでも私を一人にはしてくれなかった。

 その後、やっと「食品街」に着き、私は足並みを早めた。ところが、友人は高齢のため歩くのがおそく、エレベーターにも乗らなければならないため、多くの時間を無駄にしてしまった。

 私は大麻花やほかの記念品を買い終わると、その友人は、「早く駅に行かないと、北京に着く時間がおそくなってしまう」と言った。しかし、私の時間は私自身で計画するものだ。私は、ほかにもイタリア街やフランス街、ドイツ街など、古い建物が残る通りに行って、この都市の変化を見たかったのだ。どうやら友人をなんとか説得して家に帰らせない限り、私の計画は達成できない様子だ。

 「私は一人で少なくとも20カ国は訪問したことがあり、うち、いくつかの国は、地元の言語を全く話せなかった。それでも、私は何も恐れるものはなかった。だから、帰宅して休んでください」。私が率直にそう言ったのもむなしく、その友人は、「あなたは外国人。ここでは危険な目に遭うことが多い。私にはあなたを守る責任がある」と答えた。

 望みはもうないように思い、帰途に就くことに決めた。しかし今度は、その友人はどうやって駅に行くかを知らない。周辺の人に尋ねた後、634系統の路線バスに乗り、天津駅に着いた。そこで、私はこれ以上私に着いて来なくていいと頼んだが、友人は「切符を買って、列車に乗るのを見ないと帰れない」と言って聞かない。

 実は、私は遅い時間の切符を買って、友人と別れた後、街に戻ろうともくろんでいた。それなのに、その友人は、私から一歩も離れようとしないため、結局、午前11時50分の列車に乗り、28分後には、釈然としない気分の中、北京に到着した。

 接客において、度を超えると、それは逆効果となってしまう。なぜなら、客の計画を狂わせてしまい、不快な思いにさせてしまう可能性があるからだ。私は、このような目に2度遭った。もう2度と同じような間違いは犯さないことを心に誓った。(編集KN)

 「人民網日本語版」2013年6月14日

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