インド映画「Dangal」の中国における興行収入が12億7000万元(約210億円)に達し、中国映画「天将雄師(Dragon Blade)」が東南アジアで大ヒットし、中国とインドの合作映画「功夫瑜伽(Kung Fu Yoga)」がシンガポール、マレーシアで1日当たりの興行収入でトップに立った。新華社が報じた。
内蒙古(モンゴル)自治区呼和浩特(フフホト)市で開催中の第26回金鶏百花映画祭で、専門家は、「近年、『一帯一路(the Belt and Road)』参加国の映画は非常に発展してきており、その成功の経験は互いに参考にするほどの価値がある」との見方を示した。
中国芸術研究院映画テレビ芸術研究所の丁亜平所長は、 「『Dangal』はインドの特色が存分に出ており、これまでのインド映画の音楽とダンスのスタイルを変え、そのストーリーは現実の問題に迫り、インドの女性差別などの問題にスポットを当てている。このような『変化』が、インド映画に新たなおもしろみを加えている」と評価した。
中国とインドの合作映画「功夫瑜伽」のヒットについて、浙江大学伝媒・国際文化学院の範志忠教授は、「作品に出てくる『自分、世界、自然の三者が一体となる』とするインド文化の代表・ヨガや成龍(ジャッキー・チェン)のカンフーコメディに含まれた『ヒーローが世界を救う』というメッセージなど、いろんな特色がうまくコラボし、触れ合いと対話の可能性を与えている」との見方を示した。
その点について、丁所長は、「『一帯一路』参加国は映画の製作の過程で、それらの国には、深い歴史と文化の根源があるのだから、異文化間の『最大公約数』を追い求めるべき」と指摘している。
そして、「『一帯一路』参加国数十ヶ国は歴史において、異なるスタイルの文化や文明を形作ってきた。映画は文化を発信する重要なツールで、各国の深みある文化を発掘し、各国の文化交流、融合を促進する先駆者である」との見方を示した。
一方、西北大学の張阿利教授は、中国の「一帯一路」をテーマにした映画の製作に存在する問題について、「シルクロード文化、歴史に対する理解にとらわれ、人物の伝記や国境の要塞の伝記が主体となり、シルクロード参加国の深みのある文化を本当の意味で発掘できている作品はあまりない」とし、 「シルクロードは、テーマの一つに過ぎない。中国の映画人はマルチな文化を背景にし、個人と時代の関係、民族と世界の関係、人と人の関係などを描写すべき」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年9月18日
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