中国、第4世代原子炉の重要部品の製造に成功

人民網日本語版 2019年03月21日14:56

中国の太原鋼鉄集団(以下「同社」)への20日の取材によると、同社は高純度ステンレス材料を使い、直径と重量が世界最大の非溶接一体型ステンレスリング状鍛造部品の製造に成功した。これは中国初の第4世代原子炉、福建省霞浦県60万kW高速中性子炉モデル炉中核部品のサポートリングの製造に用いられる。科技日報が伝えた。

高速中性子炉は中国の「熱中性子炉――高速中性子炉――核融合炉」という原子力発展「3ステップ」戦略の2歩目だ。これは世界の第4世代先進原子力システムの最有力候補であり、核燃料の資源利用率を大幅に高めることができる。炉全体の「背骨」であるこの大型リング状鍛造部品の直径は15.6メートル、重さは150トン。構造上、7000トンの重量と摂氏650度の高温に耐え、40年にわたり稼働し続ける。

国内外ではこれまで、この大型の鍛造部品は溶接により製造されていた。溶接部分の材料の組織的な性能が低く、原子炉稼働の安全リスクとなる。中国科学院金属研究所は「小をもって大を制する」の工法路線を開発し、58個の高純度ステンレス連続鋳造スラブを重ね合わせ鋳造することで、このリングに必要な100トン級原料を作った。従来の「大をもって大を制する」技術の鋼塊凝固の過程にある冶金学的欠陥問題を解消した。

過酷な使用条件と新たな加工技術は、連続鋳造スラブの化学成分と均等性に対してかつてない課題を突きつけた。同社は中国原子力科学研究院、中国科学院金属研究所と共同開発し、全面的に技術の研究開発を展開した。冶金・連続鋳造技術のブレイクスルーにより、材料の耐高温性、耐腐食性、鉄鋼の純度、内部組織の均等性、サイズの精度などの指標が新たな高みに達した。高速中性子炉中核設備用アルミニウム板、連続鋳造スラブ、エレクトロスラグなど一連の製品の製造技術を確立し、量産化能力を形成したことは、この「世界トップ」の開発成功を力強く支えた。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年3月21日

  

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