「アベンジャーズ/エンドゲーム」の興行収入が、中国の映画史上最速の封切りから44時間11分で10億元(1元は約16.6円)の大台達成となった。また、ガレージキット、3C(Computer、Communication、ConsumerElectronics)関連製品、日用品などの公式関連グッズが中国で大人気になっている。ECサイトの淘宝では、マーベル・スタジオが打ち出したミサンガが1ヶ月で600点以上、funkoが打ち出したガレージキットが1000点以上売れている。あるメディアの報道によると、淘宝では、マーベル・スタジオ公認の関連グッズの4月の売り上げが、3月に比べて4割以上増えている。「アベンジャーズ/エンドゲーム」の上映は今後も続き、関連グッズの売り上げがさらに増えると見込まれている。関連グッズの商業的価値が今一度証明された形だ。北京商報が伝えた。
NYの人気アーティスト・ジェイソン・ポランがデザインを務めたユニクロとマーベルのコラボグッズ・マーベルUTを例にすると、ユニクロの天猫公式ショップで今月20日に発売となり、既に1万5000点以上が売れて複数のタイプが売り切れとなっている。
一般的な関連グッズのほか、淘宝にはユニークな「関連グッズ」も登場している。例えば、淘宝のあるショップでは、「ストーリーについて話し合うグループ」という商品が販売されており、値段は0.1元。「アベンジャーズ/エンドゲーム」を見終わった400人近くがそれを既に購入して、提供されているオンラインスペースで、感想などを語り合っている。
言及すべきなのは、2017年、香港地区の「承興国際」(Camsing International Holding)が米国のスーパーヒーロー・ コミックスのライターとして知られたスタン・リーが立ち上げた「Pow! エンタテインメント」を買収し、スタン・リーが手掛けていた約250作品の著作権を手に入れたことだ。「承興国際」傘下のCAMSING旗艦店のアイアンマンやスパイダーマンなどのガレージキットは大ヒット商品で、「アベンジャーズ/エンドゲーム」が爆発的大ヒットとなっているのを背景に、関連グッズの売り上げが同映画公開前よりも67%増加した。微博(ウェイボー)を通して、「アベンジャーズ/エンドゲーム」上映後の関連グッズの販売状況について承興国際に連絡を試みたものの、原稿執筆時点で、まだ返信はない。
海外では、映画と言えば、興行収入よりも、関連グッズや著作権の販売よる利益のほうが多い。例えば、2013年のディズニー映画「アナと雪の女王」を例にすると、エルサとアナになりきれるスカートが、米国だけでも300万点以上売れ、ディズニーはそれだけで4億5000万ドル(1ドルは約111.7円)の売り上げを得た。同作品の北米での興行収入は4億ドルだった。
現状を見ると、中国の映画関連グッズ市場は開拓初期にある。淘宝の映画関連グッズ業務の曲暁航ディレクターは、「80後(1980年代生まれ)が成長するにつれて、映画関連グッズ市場の消費者グループが細分化されるほか、消費者の消費能力が向上し、ブランド意識も変わり、それらを背景に、中国国内の映画関連グッズ市場に発展のスペースがもたらされるだろう」との見方を示す。統計によると、中国のSF映画「流浪地球(The Wandering Earth)」の公式関連グッズ製作に向けて、淘宝上でクラウドファンディングが実施され、開始わずか4分で、目標の4倍に当たる約770万元が集まった。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月28日