2020年の夏季五輪の開催地が東京に決まって以降、日本の五輪組織委員会は、日本が金メダル獲得の可能性がある種目に的を絞って、人材育成強化などの一連の対策を講じているほか、追加種目の面でも工夫を凝らしている。
なかでも、中国卓球に最も大きな影響を与えているのが混合ダブルスの追加だ。同種目は東京五輪で初めて追加され、卓球でまず初めに決勝戦が行われるのも同種目となる。日本は同種目で金メダルを取って景気づけにし、一気に中国チームを制する上での突破口としたい考えだ。
「東京五輪の卓球で日本は金メダルを2枚獲得する」と予想する日本メディア。
2017年にドイツ・デュッセルドルフで開催された卓球世界選手権の混合ダブルスで、日本の吉村真晴/石川佳純ペアが逆転で中国台北の陳建安/鄭怡静ペアを破り優勝した。この金メダルには世界選手権の同種目で日本が金メダルを獲得したのは1969年以来という大きな意義があった。また、同種目で金メダルを獲得したことで、日本の五輪組織委員会も希望を見出し、混合ダブルスを卓球の種目として追加するために尽力した。同種目が東京五輪の正式種目となったことが発表されたのは、同世界選手権が終わって数日後のことだった。
日本メディアの報道によると、日本は混合ダブルスで金メダルを取るために、様々な組み合わせを試みている。例えば、張本智和選手、丹羽孝希選手、水谷隼選手が伊藤美誠選手や平野美宇選手と組んだり、石川佳純選手が大島祐哉選手や吉村和弘選手と組んだりなどだ。
中国卓球協会の劉国梁会長は、「一番初めの種目が最もデンジャラスで、ガチンコ勝負となる」と指摘する。
事実、中国はこれまで混合ダブルスをあまり重視しておらず、戦略的な観点からそれを放棄することすらあった。2018 ITTFワールドツアーグランド ファイナルでは、中国からは延べ18人がその出場資格を得たものの、唯一混合ダブルスのみその出場資格を得られなかった。