韓国で初刷りわずか400冊のSF小説「三体」が日本ではなぜか大ヒット

人民網日本語版 2019年08月01日13:25

中国のSF作家・劉慈欣氏の名作「三体」の日本語版が、発売から1週間で日本に「三体ブーム」を巻き起こしている。

▽発売1週間で第10刷

「三体」は発売当日に日本のアマゾンの文芸作品ランキングで1位になり、初版1万冊が完売した。日本の多くの書店が「三体」を目立つ場所に置き、書棚にあった見本さえ売り切れた書店もある。わずか1週間で定価2052円のSF小説がたちまち10刷に達し、発行部数は8万5千冊になった。

「三体」は売上部数が驚異的なだけでなく、業界からの評判も高く、日本の関係者は口を極めて評価し推薦している。有名ゲームクリエイターの小島秀夫氏は「三体」のファンで、5月にSNSで日本語版の見本原稿を紹介した。映画監督の入江悠氏は「三体」の帯に「驚天動地の人類史網羅SF。膨大な知識に裏づけされたこの凄まじい想像力は事件だ」と寄せた。SF作家の小川一水氏は、「この作品を読んで、ジェイムズ・P・ホーガンとロバート・J・ソウヤーの作品を中華鍋で炒められたようだと感じた」とコメントした。

▽「三体」はなぜ日本で人気?

「三体」はなぜ日本でこれほど人気が出たのだろうか。翻訳者・大森望氏は「三体」が日本で受け入れられた理由について、「まず構想が壮大だ。この小説は伝統的な題材を新しい方法で演繹している点がすごい。非常に衝撃力がある」との見方を示した。

中国に留学したことのある中島大地さんは、「『三体』は世界最高水準のSF作品と同様、実に巧妙に描かれている。その最大の特徴は科学を非常に信頼している点だ。直感や運命ではなく、自分の努力と理性的な思考で未来を切り開くという点に特徴がある」と述べた。

また中島さんは、「『三体』は文化の上でも非常に中国らしさを備えており、テーマは欧米や日本のSFと違い、小説全体の構成も斬新だ」と述べた。

中島さんと同じように熱い思いを語る日本の読者は少なくない。「すごく面白い。一気に読んだ」、「作者の深い科学的知識をベースに、小説のロジックが緻密に構成され、読み出すと止まらない」などの声が次々寄せられる。

大森氏は、「『三体』から読み取れるのはアインシュタインや量子理論といった科学要素だけではない。中国の分野や社会の各方面のコンテンツが含まれ、この作品は単一の価値観では測れない。描かれた宇宙の複雑さや多様性に、多様な日本の読者が引き寄せられている」と述べた。

作品そのものだけでなく、翻訳者も非常に重要な役割を果たしている。読者からは、「翻訳も素晴らしい。外国の小説を読んでいる感じがしない」、「まるで日本語で書かれた小説のよう。とても読みやすく、面白い」などのコメントが寄せられる。

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