「新経典•岩波新書からの厳選」の新書発表会が12月15日に開かれ、出版社・新経典文化の猿渡静子副総裁は、「岩波新書」について、「たくさんある出版社の中で、日本を全体的に深く探求している出版社というと、100年の歴史を誇る岩波書店だ。特に『岩波新書』は、その代表的な存在だといえる」とした。中国新聞網が報じた。
「働きすぎの時代」や「格差社会」、「京都」、「日本の誕生」、「日本の漢字」、「日本神話入門」、「日本文化をよむ5つのキーワード」の7作品が既に、中国で「新経典•岩波新書からの厳選」として出版されている。
中国では、岩波書店にはまだ馴染みがない人も多いかもしれない。しかし日本では、読書が好きな人なら、児童書なら福音館、文学書なら文藝春秋、社会科学書なら岩波書店というのは周知の事実といってもいい。
岩波書店の編集局部長・馬場公彦氏は、「岩波新書」は、変化する時代において、「現代人が備えておくべき一般的教養」を提供する良い本をモットーとしている。「教養というのは非常に重要で、特に、現代人に現代的教養を提供するというのが『新書』の特徴だ。一方、古典や名作の知識を一般の人に提供するというのをモットーにしているのが『文庫』だ」としている。
「岩波新書」は自然科学、社会科学、人文科学など全ての学術分野をカバーし、これまでに、3251作品が出版されてきた。表紙のデザインも非常にシンプルなのが特徴で、そのデザインは創刊当時からほとんど変わっていない。値段も非常に安く、ほとんどの作品が200ページほどだ。
「新経典•岩波新書からの厳選」の企画者である楊暁燕氏は、「数年前に日本に行った時に、本屋に並ぶ本のうち、コンパクトサイズの『文庫』と『新書』の割合が特に多いことを知った。それを置く専用のスペースや本棚もあった。その時、中国社会科学院の学者・李文明氏と、『この中から厳選した作品を、中国の読者が読めるようにしなければ』と話した」と振り返る。
そして、4—5年の準備の期間を経て、これまでに7作品を出版している。李氏によると、「作品を選ぶ時は、▽必ず権威ある著作で、該当分野で日本を代表する最高の学術水準であること▽読む価値がある▽中国の読者が受け入れることができ、中国の読者が興味を持つ話題の作品―――などを原則にした。それをベースに、最終的に13作品を厳選した」という。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年12月18日
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